あなたは歯肉炎と歯周炎の違いってわかりますか?

たった1文字しか違わない上に、歯周病という言葉も広く使われているため、頭が混乱してしまっている人も多いかと思います。ここではそんな歯肉炎と歯周炎の違いについて詳しく解説します。

「歯周病」は歯肉炎と歯周炎の総称

まず、「歯周病」という大きなくくりがあって、その下に歯肉炎や歯周炎という細かい病気があることを知っておいてください。歯周病は、歯茎や歯根膜、歯槽骨といった歯周組織に生じる病気の総称です。

歯茎だけに炎症が生じるのが「歯肉炎」

「歯肉炎」の歯肉(しにく)は、歯茎と同じ意味です。

歯科医師や歯科衛生士は、歯茎のことを歯肉という名前で勉強するので、もしかしたら治療中も歯肉という言葉が飛び交うことが多いかもしれませんが、それは歯茎を意味しているとご理解ください。

そして、歯肉炎は文字通り歯茎に生じる炎症を意味しますので、比較的軽度の歯周病に分類されます。

歯茎以外にも炎症が生じるのが「歯周炎」

「歯周炎」の歯周(ししゅう)は、歯の周りの組織を意味します。

具体的には歯肉、歯根膜、歯槽骨、セメント質の4つを含みます。

これらは歯を支える大事な組織です。これらに炎症が広がることを歯周炎と呼んでいて、その病変の広さから比較的重度の歯周病に分類されます。

症状の違い

歯肉炎は、歯茎だけに炎症が生じていますので、主な症状としては歯茎の腫れが挙げられます。

赤みを帯びて、時には出血することもあります。ただ、痛みも含めた自覚症状は歯周炎と比べると弱い傾向にあります。

一方、歯周炎ともなると、炎症が歯茎だけでなく歯根膜や歯槽骨にまで及んでいますので、歯茎の腫れや発赤だけでなく、強い痛みを伴うこともあります。

また、歯周炎が重症化すると、歯茎や歯槽骨といった歯を支えている組織が下がり、歯がグラグラと動揺することもあり得ます。最終的には歯の脱落にまで病態が及びますので注意が必要です。

まとめ

このように、歯肉炎と歯周炎は、炎症が起こっている部位による違いという点を理解すると、すんなり頭に入ってくるかと思います。

どちらも歯周病に分類され、その症状が軽度であるか重度であるかの違いも重要な着眼点といえます。

いずれにせよ、早期に発見することで治療効果も高まりますので、気になる症状が現れたら、まずは歯科医院を受診することが大切です。