歯周病が疑われる場合は、必ず「歯周組織検査」を行います。
歯周病の有無や重症度を診断する上で、有用な情報が得られる検査です。今回はそんな歯周組織検査で調べる項目を簡潔にご紹介します。

1 歯周ポケットの深さ

歯周病組織検査では、歯と歯茎の境目に形成されている「歯周ポケット」の深さを測定します。
正常な人でも1~3mm程度の歯周ポケットが生じることがあるのですが、4mm以上になると歯周病と診断されます。
歯周ポケットが深くなるほど、歯周病も進行していることを意味します。
測定に必要なのは、歯周プローブと呼ばれる針のような器具です。先端は尖っていないのでご安心ください。

2 BOP(歯茎からの出血)

歯周病菌の活動が活発だと、歯周プローブを挿入したあとに歯茎から出血が認められます。
これをBOP(Bleeding On Probing)といいます。BOPが認められる状態では、現在進行形で歯周病が進行しているといえます。

3 歯の動揺度

歯周組織検査では、歯科用ピンセットを使って歯がグラグラと揺れ動かないか調べます。
ちょっとした刺激によって歯が動揺するということは、歯を支えている歯周組織の破壊が疑われます。
動揺度が高い場合は、歯槽骨(歯を支えている骨)の破壊が進んでおり、早急な治療が必要となります。
ちなみに、歯根や歯槽骨の状態は、歯周組織検査だけで正確に把握することは不可能です。そのため、必要に応じてレントゲン撮影を行うこともあります。

4 顎の骨の状態をレントゲンで確認

比較的重症度の高い「歯周炎」が疑われる場合は、レントゲン撮影も併せて行われます。
レントゲンであれば、歯槽骨の吸収や歯根周囲の病変なども正確に診査することができます。
歯周病の診断や治療経過を観察する上で、非常に有用な検査といえます。

▼自分でチェックできる歯周病の症状

歯周病は自覚しにくい病気ですが、いくつかわかりやすい症状も現れます。
例えば、歯茎の腫れや出血、強い口臭などは、意識的にチェックすることで自覚しやすい症状といえます。
この段階で治療を開始することができれば、歯周病を完治させることも難しくなくなります。
その他、噛んだ時に違和感や痛みが生じる、歯茎から膿が出ているなど、比較的強い症状が出たら、歯周病がかなり進行しているので、早急に治療を受ける必要があります。
いずれにせよ、何か違和感が生じたら、すぐに歯科医院で受診する必要があります。

▼まとめ

歯周病組織検査の中には、少し不快に感じるものもありますが、お口の状態を把握する上で必須となっています。
歯周病が疑われるときはもちろん、歯周病を予防するためにも定期的に受けることをおすすめします。