歯周病の治療に関心があったり、歯周病治療を実際に受けているなら、「スケーリング」と「ルートプレーニング」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。

これは、どちらも歯科的な用語で、字面からは処置の内容がイメージしにくいですが、いずれも歯周病治療では一般的な処置法といえます。

今回はそんなスケーリングとルートプレーニングの処置内容や違いについて、詳しく解説します。

1 どちらも歯石を除去する歯科処置

スケーリングもルートプレーニングも基本的に、歯の表面に形成された歯石を取り除く歯科処置です。

スケーラーと呼ばれる器具を使用する点も共通しています。では、スケーリングとルートプレーニングにはどんな違いがあるのかというと、それは施術する部位です。

スケーリングは、歯の頭の部分である「歯冠(しかん)」に形成された歯石を除去します。

歯冠は口腔内に露出した部位ですので、肉眼で確認することも容易ですね。

一方、ルートプレーニングは、歯の根っこの部分である「歯根(しこん)」に形成された歯石を除去します。歯根は歯茎の中に隠れているため、肉眼では確認することができません。

この違いがスケーリングとルートプレーニングの違いにも大きく反映することとなります。

2 ルートプレーニングには麻酔が必要?

ルートプレーニングとは、日本語に訳すと「根面を滑沢にする」処置なので、歯茎の中にまでスケーラーを挿入することになります。

口腔衛生状態が悪いと、歯周ポケットの奥深くまで歯石が形成されてしまうからです。

スケーラーというのは、鋭利な刃物のような形態をしており、それを歯根面まで挿入するとなると、多くの場合で出血や痛みを伴います。

そのため、ルートプレーニングを行う際には、歯茎に麻酔をかけるのが一般的となっております。

3 クリーニングとの違いは?

歯のクリーニングであるPMTCでは、歯石ではなく歯垢やステインを取り除くのが主な目的となっています。

使用する器具も電気で動くブラシであるため、痛みや出血の心配はないのですが、歯石のように硬い汚れは除去できません。

これはスケーリングやルートプレーニングとの大きな違いといえます。

▼まとめ

このように、歯の表面を清掃する処置には、スケーリングやルートプレーニング、クリーニングなど、いろいろな種類があります。

できれば痛みがないスケーリングだけにとどめておきたいものです。

歯石というのは、歯垢が長く堆積した結果生じるものですので、常にプラークフリーな状態を作ることで、スケーリングやルートプレーニングを受ける必要がなくなります。

その分、患者さんの身体的、経済的負担も小さくなります。

それを実現するには、やはり、定期的な歯のメンテナンスを歯科医院で受けることが必要になります。