歯並びというのは、遺伝的な要因や小さい頃の習慣などによって決まってしまうものと思われがちです。
実際、そうした要因によって骨格や歯並びも決まってくるものですが、大人になってからも変化することがあることを知っておきましょう。
とくに歯周病との関連には十分注意する必要があります。
1 歯周病の症状について
歯周病は、歯肉炎と歯周炎の2種類に分けることができます。歯肉炎は比較的軽度の歯周病で、細菌感染が歯茎である歯肉(しにく)のみにとどまっています。この段階であれば、歯並びに悪影響が及ぶことはありません。早期に歯周病治療を開始しましょう。
歯周炎は、歯茎だけでなく、歯根膜や歯槽骨にまで細菌感染および炎症反応が広がった状態です。
歯周炎を放置すると、歯を支持している歯槽骨が溶けて、グラグラと揺れ動くようになります。その結果、かみ合わせと歯並びが乱れていきます。
2 歯周病による歯の喪失が原因
歯周病によって奥歯を失ってしまったケースを考えてみましょう。
奥歯は、咬合状態を正常に保つ上で、極めて重要な役割を果たしています。
その奥歯がなくなってしまうと、かみ合わせが深くなり、そのしわ寄せが前歯部へと向かいます。
過剰な圧力がかかった前歯は、前方へと傾き、出っ歯の症状が現れてきます。
これを専門的には「フレアーアウト」と呼びます。フレアーアウトは、それほど珍しい症状ではなく、誰にでも起こり得るものとお考え下さい。
3 最近、出っ歯が気になっている方へ
昔はそんなことはなかったけれど、最近になって出っ歯が気になり始めたという方は、一度歯科を受診しましょう。
歯並びは大人になってからでも変化するものです。
その背景には、上述したような歯周病やその他の異常が潜んでいるかもしれません。
まずは精密な検査を行って、その原因を突き止めていきましょう。その上で、最善といえる治療法を選ぶことが大切です。
▼歯周病は歯を失う原因第一位
歯周病と歯並びの異常には、一見すると何ら関係が認められないように思えますが、実際はそんなことはありません。
歯がグラグラ動いたり、歯そのものを失ったりすれば、当然、歯並びも変化していきます。
そして、歯を失う原因の第一位が歯周病であるという事実も再確認しておきましょう。
▼まとめ
歯周病と歯並びには強い関連があります。大人になってからの歯並びの変化にお悩みの場合は、歯周病の可能性も含め、お口の中を一度精査することが大切です。
SNSでフォロー