歯周病は成人のほとんどがかかってしまっている病気であることから、「年をとるとかかってしまう病気」のように捉えられがちです。
しかし、歯周病は生活習慣病の一つであるため、他の生活習慣病のように、普段の生活に気をつければ予防できる可能性があるという側面を多く持っています。
歯周病にかかりやすくなる要因(リスクファクター)を知り、歯周病を予防していきましょう。
歯周病にかかりやすくなるリスク要因
歯周病を引き起こす、または悪化させる原因となるものとしては次のようなものが挙げられます。
■歯垢(プラーク)
歯周病を直接引き起こす原因となるのは、歯の周囲に溜まった歯垢(プラーク)です。
歯垢は食べかすではなく、口の中の細菌の集合体です。その中に含まれる歯周病菌が歯周病を引き起こします。
歯垢のつきやすさは、食生活によって変わってきます。例えば、甘いもの、柔らかいものばかり食べている人、間食の多い人は非常に歯垢が溜まりやすくなり、歯茎が炎症を起こしやすくなります。
また、普段歯磨きでどのくらい歯垢を落とせているか、によっても歯周病へのかかりやすさが変わってきます。
■歯石
歯石というのは歯垢が唾液のミネラル成分で固まり、石のように硬くなって歯の表面にへばりついているものです。歯石が溜まったままになっていると、その部分に細菌が付着したままになるため、毒素を発生し、歯周病が悪化する原因となります。
■タバコ
タバコは歯周病の最大のリスクファクターの一つとして考えられています。タバコを一日に10本以上吸う人では、非喫煙者に比べて歯周病にかかるリスクが5.4倍にもなると言われています。
■歯並び
歯並びが悪いと、歯磨きで汚れが落としづらくなり、歯垢が溜まりがちになります。また、噛み合わせのバランスが悪いと、噛む力が特定の場所に強くかかりすぎ、その部分から歯周病が悪化しやすくなります。
■歯ぎしり
歯ぎしりや食いしばりの癖があると、歯に非常に強い力が継続的にかかるため、歯の周囲組織がダメージを受け、歯周病が進行しやすくなります。
■糖尿病
歯周病は糖尿病の合併症の一つです。糖尿病のコントロールが悪い人では特に歯周病が重度になる傾向があります。
■口呼吸
癖や歯並びなどが原因で、鼻で呼吸せず、口で呼吸をしていると、口の中の潤いが失われ、唾液による細菌の洗浄作用が落ちてしまいます。そうすると、歯周病菌が大量に増殖し、歯周病が悪化しやすくなります。
■体調不良・疲れ
歯周病は歯周病菌による感染症であるため、免疫力が低下すると発症、進行しやすくなります。そのため、体調不良や疲れが溜まっている状態が続くと、歯茎の調子も悪くなりがちです。
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