「女性は歯周病にかかりやすい」という話を聞いたことがありますか?
女性にとってショッキングなことですが、ちゃんと理由があるのです。
元々、高齢の人に多い歯周病ですが、それがなぜ女性との関わりが深くなるのか疑問に思われる方も多いでしょう。ここではそんな女性と歯周病との関連について詳しく解説します。
1 女性ホルモンによって増殖が促進する歯周病菌
お口の中には、沢山の種類の歯周病菌が生息していますが、中でもP.intermedia(プレボテラ・インターメディア)という歯周病菌は、女性ホルモンによって増殖が促されます。
具体的にはエストロゲンと呼ばれる女性ホルモンが豊富な場所で、活動が活性化され、細菌数が増えていくのです。
2 エストロゲンの分泌が亢進する時期とは
プレボテラ・インターメディアは、大好物であるエストロゲンの分泌が亢進する時期に増殖しやすくなります。
2-1 思春期
エストロゲンは、女性らしい体を作るために欠かすことのできないホルモンです。
乳房の発育や髪の毛の艶、それから丸みを帯びた女性らしい体型もエストロゲンによって促されます。
何より妊娠しやすい環境を整えるためにエストロゲンは重要です。そのため、初潮を迎え、妊娠できる身体へと劇的に変化する思春期の女性からは、多量のエストロゲンが分泌されるのです。
2-2 妊娠中
妊娠中の女性は、エストロゲンの分泌が亢進します。
子宮を大きくしたり、乳腺を発達させたりする上で重要な役割を果たします。そんな時期には、歯茎から流れ出る滲出液にもエストロゲンが豊富に含まれることとなります。
3 女性がかかりやすい歯肉炎
3-1 思春期性歯肉炎
思春期性歯肉炎とは、文字通り思春期にかかりやすい歯肉炎で、男女ともに発症するものですが、実際のところは女性の方が多いです。これは女性ホルモンであるエストロゲンが関係しているためです。
3-2 妊娠性歯肉炎
妊娠性歯肉炎とは、妊娠3~8ヶ月ごろに発症しやすくなる歯肉炎です。
それ以降は症状も弱まり、出産後は自然と治癒していくことが多いです。これはまさに、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量と比例関係にあるといえます。
まとめ
このように、プレボテラ・インターメディアのような一部の歯周病菌は、女性ホルモンによって増殖が促されるため、必然的に女性の方が歯周病を発症しやすくなっています。
また、女性の中でもエストロゲンの分泌量が多い時期少ない時期がありますので、そうした周期や年代も踏まえた上で、歯周病への対策を考えてみてはいかがでしょうか。
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