ひとくちに歯周病と言っても実はいろいろなタイプがあります。

そのため、それぞれの種類によって治療のアプローチなどが異なってきます。今回は歯周病にはどんなタイプのものがあるのか、について解説していきます。

歯周病に関わる細菌は一種類ではない

お口の中には300〜500種類もの細菌が存在しているとされています。

歯周病を引き起こす細菌はよく「歯周病菌」などと表現されますが、その種類は1種類ではなく、10種類以上が確認されています。歯周病のタイプはどの細菌に感染しているかによって違ってきます。

 

歯周病のタイプいろいろ

歯周病はまず歯肉炎と歯周炎に分けられます。そして、歯周炎にはいくつかのタイプが存在します。それぞれの特徴は次の通りです。

1.歯肉炎

軽度の歯周病で、歯磨きをきちんとしなかったりすると、歯垢が溜まり歯ぐきが赤く腫れて出血しやすくなります。

これは歯肉炎と呼ばれ、歯ぐきにのみ炎症が起こります。子ども〜20代くらいまでに見られるのはほとんどこのタイプです。

歯磨きをしっかり行うことで治ります。特殊なケースではてんかん薬、高血圧の薬による副作用でひどい歯肉炎が起こることもあります。

2.歯周炎

一般的に30代以降くらいからよく見られ、歯ぐきだけの炎症にとどまらず、歯を支えている骨や歯根膜などの組織も破壊されていきます。

そして、進行すると歯がぐらついて、しまいには抜け落ちてしまいます。歯周病は次のように分類されます。

■慢性歯周炎

歯周炎にかかっている人のほとんどはこれに相当します。数年単位というゆっくりとしたペースで進行していきます。歯肉炎が進行して起こるもので、歯と歯ぐきの間の溝が深くなり、その部分に歯周病菌が繁殖して病状が進行していきます。

■急速破壊性歯周炎

慢性歯周炎とは違い、急激に進行するタイプの歯周炎です。遺伝的な要因、白血球機能の低下、免疫力の低下、特殊な細菌の関与が原因として考えられています。早い時期から歯周病を専門としている診療科などで治療を受けることが勧められます。

若年性歯周炎

10代の早いうちから発症するもので、歯垢があまりついていないにも関わらず急激な速度で進行してしまう珍しい歯周炎です。特殊な細菌が関わっていると言われ、家族内での発症が多く見られます。

急速進行性歯周炎

20代から30代で発症する、急速に進む歯周炎です。こちらの場合も歯垢がたくさんついていないのに病状が悪化するという特徴があり、特殊な細菌が関与していると言われています。

特殊性歯周炎

ダウン症や、その他の免疫力が低下するような遺伝的な病気で見られる稀な歯周炎です。非常に進行が早いのが特徴的です。

 

歯周病は歯を失う原因のNO1です。

平均寿命が延びているように、歯の寿命も伸ばすことが出来なければ老後の楽しみも半減してしまいます。

いつまでも自分の歯で、おいしく食べられるように歯周病対策は大事です。