お子さんをお持ちの人は、歯医者さんでフッ素塗布について耳にしたり、勧められたりしたことがあるかもしれません。
でもフッ素といえば、多くの歯磨き粉にも含まれていますよね。歯磨き粉のフッ素だけではダメなのでしょうか?
なぜ歯医者さんでフッ素塗布が積極的に勧められるのか、その理由などについて見ていきましょう。
フッ素にはこんな効果が!
まずはじめに、フッ素がなぜ歯にいいのかを知っておく必要があります。フッ素には主に次の3つの効果があります。
1.歯の質を強くする
フッ素は歯の表層のエナメル質に作用して強い結晶を作り出し、歯を強くしてくれます。
2.初期虫歯を治してくれる
歯の表面というのは食事をするたびに、実は少しずつ酸で溶かされています。その溶かされた部分は唾液中のミネラル成分で修復されていますが、フッ素はその働きを高めてくれる役割をします。
3.虫歯菌が酸を作りにくくする
虫歯菌は食べ物に含まれる糖から酸を作り出します。フッ素は虫歯菌に対して抗菌作用を発揮し、酸を作りにくくします。
歯医者さんのフッ素は何が違う?
歯医者さんで使用されるフッ素塗布用のフッ素は、家庭で使う歯磨き粉のフッ素の濃度と比べ非常に高い濃度です。
そのため、頻繁には使えませんが、数ヶ月おきに使うことで、虫歯予防に高い効果を発揮します。
歯医者さんでフッ素塗布をしたほうがいい時期
自宅でフッ素入りの歯磨き粉を使うだけでも効果はありますが、それだけでは歯を虫歯から守りきれない場合があります。主に次のような人にフッ素塗布が勧められます。
1.虫歯リスクの高い子ども
子どもの頃というのは虫歯になりやすいものです。
子どもは甘いものが好きでよく食べますし、また歯の構造上も弱いということが理由としてあげられます。
乳歯は一番硬いエナメル質が薄いですし、永久歯が生えてきても、生えたばかりの頃は歯の表面が柔らかくて虫歯になってしまいやすいのです。このような時期に積極的に歯をフッ素でコーティングしてあげると虫歯予防の効果を大きく高めることができます。
また子供でなくても、虫歯にかかりやすい人にはフッ素塗布が虫歯予防に効果的です。
2.歯ぐきが下がってきた大人
フッ素は実は大人にも効果があります。
特に歯周病などが原因で歯ぐきが下がってくることが多いのですが、それによって歯根が露出するとそこから虫歯になりやすいのです。
これは、歯根表面に歯冠(歯の頭の部分)にあるようなエナメル質が存在しないためです。そのため、高濃度のフッ素で歯の表面を強くして虫歯予防をすることが勧められます。
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