虫歯や歯周病の原因といえば、歯垢や歯石ですよね。

歯の表面に汚れが沈着して、細菌が増殖します。ですから、歯磨きをしっかりと行うことが何よりの虫歯予防となるのです。それに加えて「歯ぎしり」も虫歯や歯周病のリスク因子になり得ることをご存知でしょうか。

ここではそんな歯ぎしりとお口の病気の関連性について詳しく解説します。

1 周りの人に指摘されて気づくことが多い

歯ぎしりとは、上下の歯を「ギリギリ」とこすり合わせる口腔習癖で、その多くは眠っている最中に起こります。

そのため自覚しにくいのが特徴です。一緒に眠っているパートナーや家族の指摘によって発覚することが多い傾向にあります。

その際、問題となるのは「音」ですよね。ギリギリといった歯ぎしりの音がうるさくて、周りの人がそれを指摘します。

けれども、歯ぎしりが抱える問題というは、全く別のところにあるのです。

2 歯や歯ぐきに大きな負担をかけている

歯ぎしりでは、「ギリギリ」という歯がこすれ合う音が生じます。そうした音を日常的に耳にすることはありません。

なぜなら、普段私たちは、それほど強い力で歯と歯をこすり合わせることがないからです。

食事の時は食べ物を強く噛むことがありますが、歯と歯の間に食べ物などが存在していますので、それがクッションの役割を果たします。そう考えると、歯ぎしりというのは歯や歯ぐきにとても大きな負担をかけていることがわかるかと思います。

3 歯を擦り減らし骨を溶かすこともある「歯ぎしり」

歯ぎしりが慢性化すると、歯のエナメル質が徐々に摩耗していきます。

その結果、象牙質が露出したり、歯質に亀裂が入ったりします。虫歯菌はそういう部分から感染していく傾向にあります。

また、歯根膜に炎症を起こしたり、歯を支えている歯槽骨を溶かしたりすることもありますので要注意です。

こういった歯や歯周組織への負担が蓄積することで、虫歯や歯周病を引き起こします。

4 歯ぎしりは治せる

歯ぎしりは、無意識に行っていることが多い口腔習癖であるため、治すのが難しそうですよね。

けれども歯医者では、歯ぎしりに対する治療法をいろいろと用意しています。

最も一般的なのが「ナイトガード」と呼ばれるマウスピース型の治療装置です。

夜間にマウスピースを装着することで、歯ぎしりによる悪影響を軽減します。また、使用していく中で、歯ぎしりそのものの改善も期待できる治療法です。

まとめ

このように、歯ぎしりは単にうるさいだけでの口腔習癖ではなく、歯や歯周組織に大きなダメージを与えることがあります。

虫歯や歯周病の誘因にもなり得ますので、家族に歯ぎしりを指摘された経験があるなら、早く歯医者に診てもらいましょう。