歯周病は自然に治らない？

むし歯は、一度発症すると自然に治ることはありません。人によって進行度の違いはありますが、放置すれば徐々に症状が悪化していきます。
そこで気になるのが歯周病ですよね。今回は歯周病が自然に治る病気かどうかについてわかりやすく解説します。

1 自然治癒は見込めない

歯周病もむし歯と同様、基本的に自然治癒が見込めない病気です。
なぜなら、歯周病もむし歯も細菌感染症だからです。
とくにむし歯に関しては、原因となる細菌が歯質に感染してしまうことから、削らなければ治せなくなります。
その点、歯周病は少し事情が異なります。

歯周病の主な原因は、歯の表面に形成された歯垢や歯石です。
これらは歯周病菌の温床となるため、歯茎への感染リスクが高まります。
また、歯周病を発症したあとも、歯垢や歯石が残っていれば、依然として細菌感染は広がっていきます。
そうして歯周病は歯肉炎から歯周炎へと進行していくのです。

ここまで、歯周病になる原因や進行する理由について説明してきましたが、なぜ自然に治らないのかも気になりますよね。
上述したように、歯周病の根本的な原因は歯垢や歯石で繁殖する歯周病菌なので、それらがなくなれば自然に治ることもあります。

けれども、歯周病にかかったということは、そもそもプラークフリーな状態や歯石のない状態を自分自身で作ることができないことを意味しています。
つまり、どれだけ自然に治るのを待っても、症状の改善は期待できないのです。

例えば、歯石というのは、歯ブラシによるブラッシングでは取り除くことができません。
歯石は、石灰化した歯垢であり、石のように硬い物質だからです。

つまり、歯石が生じて歯周病を発症している時点で、もはや自然治癒は期待できないといえます。
そこで重要となるのが歯科医院で受けるプロフェッショナルケアです。
歯科衛生士によるスケーリングやルートプレーニング、歯のクリーニングなどを受けることで、歯垢や歯石、バイオフィルムなどを一掃することができます。

歯周病にかかったということは、歯磨きをはじめとしたオーラルケアに問題があることは間違いありません。
正しいセルフケアを実践できるよう、歯科医院でブラッシング指導を受けることをおすすめします。

このように、歯周病というのは、むし歯とは少し違った意味で、自然治癒しない病気です。
ただし、歯科医院で適切な処置や指導を受けることで、歯や歯茎を傷つけることなく治すことが可能です。

歯周病は歯を失う原因の第1位です。
もし、定期的に歯医者さんにかかっていないなら、ぜひ新たな習慣として取り入れる努力をしてください。