歯周病は、重症化すると完治させるのが難しくなる病気です。
そのため、中等度から重度の歯周病では、治療を施したあとも一定の症状が残ることもあります。
その際、適応される治療を「SPT」といいます。今回はそんなSPTについてわかりやすく解説します。
1 SPTってなに?
SPT(Supportive Periodontal Therapy)とは、歯周病の安定期に行われる治療です。
サポーティブペリオドンタルセラピーといわれても、何のことかあまりイメージできないかと思いますが、行うことは歯周病の基本治療とそれほど変わりません。
安定した病状を維持するために、プラークコントロールやスケーリング、ルートプレーニングなどを行います。
ただ、毎週のように通院するのではなく、1~3ヶ月に1回程度の頻度でご来院いただきます。
2 メンテナンスとの違い
比較的軽度の歯周病であれば、治療後メンテナンスに移行するのが一般的です。
3~6ヶ月に1回程度の頻度で検診やクリーニングなどを受けていただきます。
メンテナンスに移行する場合は、基本的に歯周病の症状が消失しています。
具体的には歯周ポケットの深さが3mm以下で、歯の動揺や歯茎からの出血も認められない状態です。
歯周病治療後にSPTへ移行する場合は、4mm以上の歯周ポケットが残っていたり、歯の根っこの分かれ目である「根分岐部(こんぶんきぶ)」に病変が残存していたりします。
歯周病が完全に治ったわけではないので「病状安定」と診断し、SPTが適応されます。
3 病状が安定しても気を抜いてはいけない
歯茎の腫れや出血、噛んだ時の違和感など、歯周病の症状はさまざまですが治療によって徐々に改善されていきます。
もともと歯周病は「強い痛み」が生じにくい病気なので、病状が安定すると気を抜いてしまう人も少なくありません。
けれども、そうした状態は歯周病が完治したわけではないのでご注意ください。
とくに外科処置であるフラップ手術など、重症度の高い歯周病の治療を行った後は、気を抜くと病気が再発しやすいです。
せっかく苦労して治療したのに、再び重たい症状が現れたら残念ですよね。
そうならないためのSPTですので、治療後も上述したような症状が残る場合は、歯周病安定期治療をしっかり受けていきましょう。
▼まとめ
このように、歯周病が完全に治ったわけではないけれど、病状が安定した場合にはSPTが適応されます。
施術内容は歯周基本治療とほぼ同じであり、数ヶ月に1回の通院で十分ですので、SPTが必要と診断された場合は積極的に受けるようにしましょう。
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