歯に黒ずみが生じると「もしかしたらむし歯かも?」と心配になる方も多いかと思います。
実際、むし歯になると歯に黒ずみが生じることがありますし、不安になったらすぐに当院までお越しください。
ただ、歯の黒ずみが単なる着色である場合も考えられます。今回はそんな歯の黒ずみについて、むし歯と着色の簡単な見分け方をご紹介します。
1 むし歯は部分的に黒くなる
むし歯によって歯が黒ずむ場合は、一本の歯の一部にだけ異常が認められます。
つまり、むし歯菌によって溶かされた歯質の部分です。歯質には穴が開いており、その中で黒ずみが生じます。
特別な場合を除いては、むし歯をひとつの部分から始まるものですので、むし歯による黒ずみを見分けるポイントとしては有用といえます。
2 食品などによる歯の着色は複数の歯に見られる
コーヒーや紅茶といった着色性の強い食品を習慣的に摂取していると、歯の着色が生じることがあります。
これも歯の表面に黒ずみとして現れることがあるのですが、むし歯による着色との大きな違いは、複数の歯に同時に認められるという点です。
もちろん、奥歯ではなく前歯の方が着色しやすいなど、歯列の部位による違いはありますが、一本の歯だけ黒ずむということはほとんどありません。
3 歯の表面の穴に注目する
歯の黒ずみがむし歯によるものか、単なる着色なのかを見極めるポイントとしてはもう一つ、歯の表面の穴に注目する必要があります。
もしも歯の表面に穴が開いていたら、それはむし歯である可能性が高いです。
一方、歯の表面が正常だったり、歯垢や歯石のせいでザラザラしていたりする場合は、食品やタバコによる着色が疑われます。これもまたむし歯と単なる着色の大きな違いといえます。
4 歯面が白く濁っているのは?
歯の表面の異常として、もう一つ注意しなければならないものに「白斑(はくはん)」があります。
白斑とは、歯面に小さな白濁が認められる異常で、歯に穴は開いていません。
ですから、一見すると単なる着色のように思えますが、これは初期のむし歯と判断するのが正しいといえます。
発生して間もないむし歯というのは、「表層化脱灰(ひょうそうかだっかい)」という、歯の内部から溶かされる現象が起こります。その結果、歯の表面に穴は開かずに白濁として認められるようになるのです。
この状態を放置すると、いずれは歯に穴が開きますので、できるだけ早い段階で歯科医院にかかる必要があります。フッ素塗布など適切な処置を施し、むし歯の進行を抑える必要があります。
▼まとめ
このように、歯の黒ずみを発見したら、それがむし歯によるものなのか、あるいは食品やタバコなどによるものなのかを見分けることが大切です。
もちろん、正確な診断は歯科医師が行いますが、歯の着色が見られた際は、上述したようなポイントを参考にご自身の歯を観察してみてください。
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