虫歯は甘いものの食べすぎ、歯磨き不足で起こるというのが一般的な意見ではありますが、実は体の病気から虫歯にかかりやすくなってしまう場合があります。

体の病気から虫歯を引き起こしやすいものの代表として糖尿病が挙げられます。

糖尿病がどのような理由で虫歯を引き起こしやすくなるのか、見ていきましょう。

糖尿病と口の中との関係

糖尿病というのは、血糖値が高くなってしまう病気で、放置すると体のあちこちに様々な合併症を引き起こします。

口の中に関係のある合併症として歯周病が挙げられます。

つまり、糖尿病の人は歯周病にかかりやすくなったり、進行しやすくなったりするのです。

また、歯周病にかかっていることで糖尿病にもかかりやすくなる、という逆の関係も最近の研究で明らかになってきました。

このように、糖尿病は特に歯周病との関連が深いため、歯周病にのみ注意を払われることが多いのですが、実は糖尿病にかかっていることで、虫歯もできやすくなってしまうという事実があります。

糖尿病が虫歯を作りやすくなる理由

■唾液が減る

糖尿病になると、糖を体外に排出する際、水分も一緒に出すため、尿の量、回数が増えます。

そうすると、体内の水分が少なくなり、口の中も渇いて潤いがなくなってしまいます。

口の中が乾いてしまうと、虫歯菌が増殖しやすい環境になってしまうため、歯が虫歯菌に感染しやすくなってしまいます。

■免疫力が低下してしまう

糖尿病になると、体の免疫力が低下します。

そのため、あらゆる感染症にかかりやすくなってしまいます。

その理由から、歯周病にかかるリスクが高くなってしまうのですが、これは虫歯に関しても同じで、虫歯菌に感染してしまうリスクが高くなってしまうのです。

■歯周病が進行して歯の根元に虫歯を作りやすくなる

糖尿病により歯周病が進行すると、歯茎が下がってきます。

すると、だんだんと歯茎に覆われていた歯根の部分が露出してきます。

この部分は非常に虫歯に対して弱い部分であり、比較的すぐに虫歯になりやすいところです。

 

以上のように、糖尿病にかかってしまうと虫歯リスクが高くなるため、注意が必要です。

ほとんどの人に見られるタイプの糖尿病は生活習慣病であるため、健康的な食生活、適度な運動などによって防ぐことができます。

また、日頃から歯磨きをきちんとするなどプラークコントロールに気をつける、タバコを吸わない、定期的に歯石を取る、ということに気をつけることが大切です。

結果的に虫歯、歯周病、そして歯周病が原因で引き起こされる糖尿病を予防することにもつながっていきます。