歯周病と全身の病気には、深い関連があります。
全身の病気はいずれの病気も命の危険にさらされる危険もあるため、十分な注意が必要といえます。
その中でも「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」についてより詳しく知っておくことが大切です。
今回はそんな誤嚥性肺炎と歯周病との関係について、さらに詳しく解説します。
1 誤嚥性肺炎とは
誤嚥性肺炎とは、唾液や食べ物などを誤って飲み込む(誤嚥する)ことで発症する肺炎です。
誤嚥という現象自体あまり起こらないと思われがちですが、実は多くの人でも日常の中で誤嚥していることがあります。
その際、気管に入った異物を除去する「咳反射(せきはんしゃ)」が正常に起これば、肺炎を起こすようなこともありません。
2 なぜ歯周病が原因になるのか
誤嚥性肺炎が起こるメカニズムについてはご理解いただけたかと思いますが、そもそもなぜ歯周病が関係してくるのかは不明瞭ですよね。
そこで思い出していただきたいのが歯周病の原因です。
歯周病は、P.g菌という悪玉のボス格に代表される歯周病菌への感染で発症する病気です。
つまり、歯周病が悪化すると、お口の中たくさんの細菌が繁殖するのです。
その一部が唾液や食べ物などに付着し、気管へと入り込んでしまうのです。
3 肺炎は日本人の死因第5位(2019年)
日本人の死因は、がんやの脳血管疾患、心疾患などが上位を占めますが、意外にも肺炎が第5位に位置しているのです。
それくらい肺炎というのは重篤な病気といえます。
また、肺炎で亡くなる人が増えた理由のひとつに、誤嚥性肺炎の増加が挙げられることも忘れてはいけません。
ちなみに、誤嚥性肺炎のリスクは、咳反射が低下する高齢者の方ほど高くなります。
4 誤嚥性肺炎を予防する方法
誤嚥性肺炎を予防するためには、オーラルケアを徹底することが一番です。
仮に誤嚥が起こりやすくなったとしてもお口の中が清潔なら、気管での細菌感染も起こらないからです。
今現在、歯周病にかかっているのであれば、できるだけ早期に治療を開始しましょう。
5 誤嚥を予防する方法
食べ物を飲み込む力が弱くなると、誤嚥が起こりやすくなります。
そうした嚥下機能の低下を改善する方法として、いろいろな訓練がありますので、気になる方は歯医者さんに相談しましょう。
毎日実践できる手軽な方法もたくさんありますよ。
▼まとめ
このように、誤嚥性肺炎と歯周病には密接な関連があります。
肺炎は時に命を奪うほど重症化することもありますので、「たかが歯周病」とは考えずに積極的に治療を受けるようにしましょう。
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