口臭はとてもデリケートな問題なので、気になっても人に相談できないという方も少なくありません。
そんな時は是非とも歯医者さんを頼ってください。
口臭の主な原因はお口の中にあるため、口腔領域の専門家である歯医者さんなら、その原因や対処法をきちんと提示することができます。
今回はそんな口臭の原因や対処法をわかりやすく解説します。

1 誰にでもある「生理的口臭」

口臭の対処が難しいのは、人によって感じ方が大きく異なるからです。
とりわけ臭いに敏感な人は、それほど強い口臭がなくても、自分の口の臭いにひどく悩まされることもあります。
例えば「生理的口臭」というのは、誰のお口にも存在している臭いで、本来であれば気にする必要はないのです。
朝起きた時にお口が臭い、と感じるケースの大半は、生理的口臭です。特に就寝前の歯磨きは念入りに行うようにしましょう。
もちろん、その度合いが極端に強い場合は、何らかの異常が考えられます。

3 治療が必要となる「病的口臭」

病的口臭とは、その名の通り背景に病気や何らかの異常が潜んでいる口臭です。
そのため適切な治療や対処が必要となります。
最もわかりやすいのは、歯周病です。歯周病にかかると、独特な臭気がお口から生じるようになります。
これは歯周病菌がタンパク質を分解する過程で生じる「メチルメルカプタン」というガスに由来しています。
“腐った玉ねぎ”のような臭いと表現されるように、臭気はかなり強いです。

4 歯周病由来の口臭の対処法

歯周病由来の口臭は、歯周病を治さなければ改善できません。臭いの元を作っている歯周病菌を減らすことで、口臭も徐々に弱くなっていきます。
口腔由来の口臭は、その背景に歯周病が隠れているケースが極めて多いです。
上述したような臭いに悩まされている方は、まず歯周病を疑ってみましょう。
その他の可能性としては、虫歯も考えられます。
唾液の分泌量が減少するような病気(ドライマウス)を抱えている場合も口臭が発生しやすくなります。

5 全身の病気が原因の口臭

口臭は、糖尿病のような全身の病気が原因で生じることもあります。
糖尿病になると、インスリンが不足することによって糖質の利用率が低下します。
その代わりに脂肪酸を分解して、エネルギー源とします。
脂肪酸が分解される過程では「ケトン体」と呼ばれる物質が生成されるのですが、これが口臭の原因となります。
“腐った果物”のような甘酸っぱい臭いがします。
肝臓の機能に異常がある場合は、お口からアンモニア臭がすることもあります。
いずれも原因となっている病気を治さなければ、口臭も改善されません。

▼まとめ

口臭には生理的口臭と病的口臭の2種類があり、対処法も異なります。
口臭が気になっている方は、まずその原因を突き止めることから始めましょう。歯医者さんはそのお手伝いをすることができます。