歯磨き粉の使用に関しては、テレビやネットなどでもいろいろな情報が飛び交っており、どうしたら良いのか迷っている方もいると思うます。
今回はそんな歯磨き粉の使用の是非についてわかりやすく解説します。

1 必ずしも使用する必要はない

歯磨き粉は使うべきではない、という意見を強く主張する方がいらっしゃいます。
その声があまりにも大きいと、歯磨き粉を使わずにブラッシングすることが正解、と思っている方もいらっしゃいます。
実際、歯磨き粉を使わずにブラッシングするメリットはいくつかあります。

まず、市販の歯磨き粉には発泡剤が豊富に含まれており、少しブラッシングしただけで、お口の中が泡で満たされてしまいます。
その状態だと、大したブラッシングをしていなくても“磨いた気になる”ことがあります。
次に研磨剤に関してですが、強圧でゴシゴシとブラッシングすると、歯の摩耗を引き起こします。
とくに歯冠と歯根の境目付近である歯頚部(しけいぶ)はブラッシングによって摩耗しやすく、「くさび状欠損」という異常が生じやすいため注意が必要です。

歯磨き粉を使わなければ、こうした事態を防止することも可能となります。
そうした理由から、歯磨き粉の不使用を推奨することも決して間違いではないといえるのです。
ただし、歯磨き粉には、さまざまな薬用成分が含まれているものもあり、適切な使い方をすればメリットの方が大きくなるといえます。

2 歯磨き粉を使うメリット

歯磨き粉を使うメリットとして第一に挙げられるのは、フッ素の効果です。
市販の歯磨き粉の多くには、1000~1500ppmのフッ素が配合されており、歯の再石灰化作用が期待できます。
歯科医院で受けるフッ素塗布のジェルが約9000ppmなので、そこまでの効果は見込めませんが、毎日使用することで歯質を強化することが可能です。

その他、市販の歯磨き粉には象牙質知覚過敏症や歯周病の症状を和らげるような薬用成分が含まれたものも開発されています。
そうした症状に悩まされている方にとっては、該当をする歯磨き粉を使うメリットは大きいといえます。
もちろん、歯科医院での治療や予防を受けるのが一番ですが、補助的なケアとして歯磨き粉の使用も推奨されます。

▼まとめ

歯磨き粉を使うべきかどうかは、人によって異なります。普段から磨き残しが多かったり、ブラッシング圧をコントロールしにくかったりする人は、歯磨き粉を使用しない口腔ケアを試してみるのもよいでしょう。

歯磨き粉に含まれる有効成分の効果を利用したい方は、実際多いと思います。
歯磨き粉を使うべきではないという声に過度に惑わされるのではなく、正しいブラッシングを身につけることが重要です。
「歯磨き粉をつけすぎていないか」も一度チェックしてみてください。