歯周病は、「中高年がかかるもの」というイメージが強いですよね。
実際、60歳や70歳の方は歯周病にかかっている割合が高くなっています。
けれども、それより若い方でも歯周病にかかるリスクは十分あります。
さらにいうと、子どもでも歯周病にかかることがあるのです。今回はそんな子どもの歯周病についてわかりやすく解説します。

1 歯周病は細菌感染症

子どもも歯周病にかかることがあると聞いて、疑問に思われた方も少なくないかもしれません。
子どもの「むし歯」はよく聞きますが、歯周病となると話は変わります。
けれども、歯周病もむし歯と同じように、細菌感染症の一種であることを忘れてはいけません。

身の回りに歯周病の人がいたり、お口の中が不潔になったりすることで、歯周病菌に感染するリスクは十分存在しているのです。

2 歯周炎より歯肉炎が多い

歯周病は大きく「歯肉炎(しにくえん)」と「歯周炎(ししゅうえん)」の2つに分けることができます。
歯肉炎は歯茎だけに炎症がとどまっている比較的軽度の歯周病です。
子どもの歯周病はこの歯肉炎の割合が非常に多くなっています。

つまり、歯周炎まで進行することはほとんどないといえます。

3 「萌出性歯肉炎」に要注意

子どもがかかりやすい歯周病に「萌出性歯肉炎(ほうしゅつせいしにくえん)」というものがあります。

これは歯が萌出する(生える)際に起こる歯肉炎です。
歯というのは、時間をかけて少しずつ生えてくるので、その間は歯磨きしにくくなります。
きちんと歯磨きをしないと食べかすや歯垢がたまり、細菌繁殖の温床となってしまうのです。
その結果、子どもであっても歯肉炎を発症することがあります。

4 全身の病気が原因となる歯周病

とても稀なケースではありますが、「低ホスファターゼ症」や「パピヨンルフェーブル症候群」といった全身の病気がある場合は、子どもでも歯周病にかかることがあります。
それも顎が大きく破壊されるような重度の歯周炎を発症しやすいので十分な注意が必要です。
そういったケースでは医科との連携が不可欠となります。

▼まとめ

このように、歯周病は子どもでもかかることがありますので注意しましょう。
子どもの頃に歯周病を発症すると、歯や顎の骨の発育にも悪影響が及ぶことがあります。
そのため、お子さまのオーラルケアを実施することが重要になります。
親子で定期的な検診を受ける習慣がつけばなお良いですね。