歯の病気といえば虫歯と歯周病ですが、どちらもひどくなると歯を失ってしまう原因になります。
しかし両者は全く違う病気ですので、それぞれに異なった特徴があります。虫歯と歯周病の違いにはどのようなものがあるのでしょうか。
虫歯とは
虫歯とは、ミュータンス菌などの虫歯菌が作り出す酸によって歯が溶かされてだんだんと穴が開いてくる病気のことです。
虫歯が骨より下まで進んでしまうと、歯にかぶせものを作れなくなってしまうため、もう残すことができなくなります。
歯周病とは
歯周病とは、歯周病の原因菌が歯を支えている歯周組織(歯茎や骨など)を破壊していく病気です。
そのため、歯自体が健康であっても、歯を支えている土台が壊れてしまうと、最後には歯を支えきれなくなり、結果的に歯を失ってしまいます。
虫歯と歯周病にはこんな違いがあります
虫歯と歯周病にはさらに次のような点に違いがあります。
1.かかりやすい年齢
虫歯は若い年代の人がかかりやすい傾向があります。
特に乳歯列の幼児期、乳歯から永久歯に生え変わる学童期に虫歯にかかりやすいため注意が必要です。
大人になるにつれて虫歯にはかかりにくくなります。
一方、歯を失う原因となる歯周病は30代以降にかかる人が増えてきます。
特に、それまで虫歯にかかったことがないというような人は、「自分歯が丈夫である」と思い込んで歯のお手入れがおろそかになり、歯周病を発症することが少なくありません。
2.症状の出方
虫歯は初期にはほとんど症状を出しません。
虫歯が内部に進行するにつれ、甘いものや冷たいものでしみる症状が出てきます。
そしてその後神経に近づくと熱いものでしみ始め、最後には何もしなくても激痛が出ます。
歯周病はサイレントディジーズとも呼ばれ、初期はもちろん、ある程度進行しても全く自覚症状を出さないことが多いのが特徴です。
そのため、痛みが出る頃には病状が重度になっていることもよくあります。
3.進行の仕方
虫歯は歯自体が破壊されるため、当然ながら進行する場合はその歯のみで進行します。
それにひきかえ歯周病は、歯を支えている骨がやられてしまうので、複数の歯が同時に悪くなってしまうということが起こります。
そのため、虫歯の場合は一本一本失うのに対し、歯周病の場合は同時に何本も失ってしまう、ということがあります。
そのため、どちらも歯を失う病気ではありますが、どちらかというと歯周病の方がそういった意味では恐ろしい病気だと言えるでしょう。
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