歯周病は成人のほとんどがかかっている国民病の一つであると言えるでしょう。

歯周病はかつては「歯槽のうろう」と呼ばれていたものと同じもので、これによって多くの人が歯を失っていっています。

そのため、「年を取ったらかかってしまうもの」と思われがちなのですが、実は生活習慣病の要素が大きく、心がけ次第で歯周病を予防したり、きちんと治療して進行を食い止めることができるのです。

 

歯周病とはどんなもの?

 

歯周病というのは、口の中にいる歯周病菌が歯ぐきに炎症を起こし、放っておくと歯を支えている骨などが徐々に溶かされてしまう病気です。

そのため、治療をしないと歯がだんだんとぐらついてきて、抜け落ちてしまいます。

また、歯周病の特徴として「強い口臭」があります。

これは病状が深刻になるにつれひどくなっていき、周囲の人を不快にさせていきます。

また、さらには歯周病菌が体内に入り込んで、体の様々な部分に命に関わるような病気を起こすことも明らかになっています。

 

 

こんな症状があったら歯周病の疑いが!

 

歯周病の怖いところは、早期に痛みを出しにくく、症状を自分で自覚しにくいところです。

小さなサインを見つけることが歯周病を早く食い止めることにつながります。

次のような症状が当てはまれば歯周病になっている可能性があります。

 

・歯ぐきから出血することがある

・歯ぐきが赤く腫れているところがある

・口の中が粘ついている

・歯が長くなってきた気がする

・歯が冷たいものでしみる

・食べる時にものが挟まりやすい

・口臭がひどくなってきた気がする

・歯がぐらつく

 

 

歯周病はこうやって治療する

 

歯周病は初期の段階ほど治療が簡単で早く終わります。

 

1.軽度の歯周病の場合

軽度の歯周病は「歯肉炎」と呼ばれ、歯ぐきの炎症のみで骨の破壊は始まっていません。

この段階であれば、歯磨きをしっかりやるだけで歯周病を完治することができます。

ただし正しい磨き方ができていない場合には、今後歯周病が悪化する可能性があるため、歯科医院でブラッシング指導を受けた方が良いでしょう。

また、歯石が付いている場合には歯科医院で取ってもらう必要があります。

 

2.中等度の歯周病の場合

歯肉炎を放置しておくと、「歯周炎」という状態になり、骨が溶かされ始めます。

こうなると歯磨きだけでは治せません。

歯ぐきの中にも歯石が溜まり出しますので、定期的に歯ぐきの中の歯石を除去してもらう必要があります。

 

3.重度の歯周病の場合

骨がかなり失われている状態で、歯と歯ぐきの間の溝が深くなってくるため、それまでのような歯石取りだけでは全部取りきることが難しくなってきます。

そのため、歯ぐきを切り開いて奥の歯石を取り、汚染された歯ぐきを切り取る手術が必要になることもあります。