普段の食事で、食べこぼしが目立つようになったり、噛めないものが増えたりするなど、食べにくさを感じることが増えてきたら、それは「オーラルフレイル」と関係しているかもしれません。

あまり聞き慣れない言葉とは思いますが、お口の健康を維持する上でとても大切なことなので詳しくご説明します。

1 オーラルフレイルとは?

私たちは年を重ねると、足腰の筋肉が衰えてきます。

若い頃のように速く走ったり、機敏に動いたりすることが難しくなりますよね。

それと同じように、お口の周りの筋肉や骨なども、徐々に衰えていってしまうものです。

つまり、口腔機能の低下ですね。食べ物を噛んだり、言葉を話したりするなど、お口が担っている機能全般が衰えていってしまうのが「オーラルフレイル」です。

ちなみに、オーラルは「口腔の」、フレイルは「虚弱」という意味の言葉です。

2 オーラルフレイルは食欲の減退につながる

食べ物を噛む力が弱まると、どうしても硬いものを避け、軟らかいものばかり選ぶようになってしまいます。

すると、衰えた筋肉をさらに使わなくなることから、咀嚼能力の低下により一層、拍車がかかることとなります。

その結果、食事をすることが億劫になり、食欲も減退していくのです。噛み応えのない、軟らかいものばかり食べることも食欲を喚起しにくくなる原因のひとつといえます。

3 オーラルフレイルを予防・改善するには?

オーラルフレイルは、むし歯のような不可逆的な病気ではありません。

お口周りの筋肉の衰えが主な原因なので、それらを鍛えることで症状を改善、もしくは予防することが可能です。

具体的には、食事の際にしっかりと咀嚼することから始めましょう。

食事というのは普段、何気なく行っている行為ですが、実はとても複雑な運動を行っています。

唇や舌、歯や顎の関節などを巧みに動かして、細かく砕いた食物を喉の奥へと飲み込みます。

この一連の動作をしっかりと行っていくことがオーラルフレイルの予防、改善へとつながっていきます。

ですから、体の衰えと同じように仕方のないものだと諦めずに、お口の機能をしっかり使うことを心がけていきましょう。

▼まとめ

このように、オーラルフレイルは年を重ねると誰にでも生じる症状ですが、意識的に取り組むことで予防することもできます。

また、今現在オーラルフレイルに悩まされている方も、ちょっとした努力を積み重ねていくことで症状を改善させることもできます。

まずはお気軽に当院までご相談ください。