私たちの歯は、むし歯菌に溶かされるともう二度と元には戻りません。
それは歯科治療で歯を削った場合でも同じです。
そのため近年はできるだけ歯質を保存するような診療が優先されるようになりました。
今回はそんな「ミニマルインターベンション」という考え方についてわかりやすく解説します。
1 できるだけ歯を削らない、抜かない
ミニマルインターベンションは、日本語に訳すと「最小限の侵襲(しんしゅう)」です。
日本語に訳しても少し難しいのですが、簡単にいうと「できるだけ削らない、抜かない」歯科治療を指します。
損傷を受けると再生しない歯に対しては、とても大切な治療の方針といえます。
けれども、単に削らない、抜かないことを優先しても、患者さまのためにはなりません。
大切なのは、歯へのダメージを抑えつつもしっかりと病気を治すことです。
2 むし歯と健康な歯質を見極める
ミニマルインターベンションを実践する上でとても重要となるのが正確な診断です。
病変がどのくらいまで進んでいて、どこまでが健康な歯質なのかを正確に見極めることで、最小限の切削が可能となるからです。
診断をきちんと行えていない場合は、むし歯にかかった歯質を取り残すこととなるので、再発を招くリスクも高まります。
結果的に失う歯質の量も増えるため、細心の注意を払いながら診断を行います。
3 歯を抜かないメリット
例えば、重症化したむし歯では根管治療(歯の根っこの治療)が必須となります。
歯の根の治療は時間がかかるだけではなく、最終的に抜歯をせざるを得なくなることも珍しくないため、始めから歯を抜くことを念頭においてインプラントを希望される方もいらっしゃいます。
確かに、インプラントは失った歯を取り戻す素晴らしい治療法です。
治療を終えた患者さんの満足度も非常に高いことは事実です。
とはいってもやはり、天然歯にかないません。
ですから、残せる歯は可能な限り残した方が良いといえます。
その点においてミニマルインターベンションは、理にかなった考え方といえます。
4 早期発見・早期治療がカギを握る
ミニマルインターベンションを実践する上で、とても重要なポイントとなるのが「早期発見・早期治療」です。
早期発見・早期治療を可能にする行動は「定期検診」になります。
むし歯に関していえば、初期の段階で発見することでそもそも歯質を削る必要がなくなります。
いわゆる「初期のむし歯」には、フッ素塗布を行うことでむし歯の進行を止めることができるからです。
これは歯周病など、その他の口腔疾患にも共通していえますので、早期発見・早期治療が可能となるよう、積極的に定期検診を受けていきましょう。
▼まとめ
このように、できるだけ削らない、抜かないという最小限の処置を心がける「ミニマルインターベンション」は、患者さんのお口のQOLを維持する上でとても有用です。
そんなミニマルインターベンションを念頭に置いた歯科治療がご希望であれば、ぜひ当院までお越しください。
あなたの大切な歯質をできるだけ残せるよう、最大限努力いたします。
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