これから入れ歯を作る予定の方、あるいは作って間もない方は、その取扱いに迷う場面も多いかと思います。
入れ歯は取り外し式の装置なので、基本的には患者さまの好きな時に着けたり外したりすることができますが、眠る前には外していただくこととなっています。
今回はそんな入れ歯を就寝前に外す理由をわかりやすく解説します。
1 お口の中が不潔になる
眠る前に入れ歯を外す理由としては、まず衛生面における問題が挙げられます。
もうすでにお使いの方ならわかるかと思いますが、入れ歯というのはとても汚れやすいですよね。
食べかすが付着するのはもちろん、入れ歯の表面にプラークや歯石、場合によってはカビまで生えることがあります。
そんな入れ歯を24時間装着したままにしていると、お口の中まで不潔になります。
その結果として「義歯性口内炎(ぎしせいこうないえん)」を発症することもあります。
2 入れ歯には化学的な洗浄も必要
入れ歯は、義歯ブラシと呼ばれる入れ歯専用のブラシでお手入れします。
歯磨き粉などは使わず、義歯ブラシでやさしくブラッシングするのが基本です。
ただ、入れ歯の表面に付着した汚れは、そうした機械的な清掃だけではきれいに落とすことができません。
そこで有用なのが「入れ歯洗浄剤」です。
入れ歯洗浄を用いると、化学的な洗浄効果が期待できます。
その結果、バイオフィルムなども除去することが可能となります。
もちろん、比較的軽い汚れであれば、10分程度浸けておけば洗浄が完了しますが、一晩浸けることでさらに高い効果が見込めます。
3 お口を休ませてあげる
入れ歯は比較的大きな装置なので、装着していること自体、負担となりやすいです。
お口周りの筋肉や顎の関節も疲れてしまいますので、夜間は休ませてあげましょう。
夜眠る前に入れ歯を外すと「ホッと」する方も多いのではないでしょうか。
ただし、ケースによっては夜間も装着したままの方が良いこともあります。
▼咬合(かみ合わせ)が安定しない場合は着けたまま
残った歯の本数や状態によっては、入れ歯を外すと咬合が不安定になるケースがあります。
そうした方は、睡眠中も入れ歯を装着していただき、咬合の安定をはかります。
その他にもいくつか、入れ歯を着けたまま眠った方が良いケースがありますが、気になる方は当院までご相談ください。
ていねいにご説明します。
▼まとめ
このように、入れ歯は眠る前に外すのが一般的です。
同時に、化学的な洗浄も含めた適切なお手入れを実施することが大切です。
そうすることで入れ歯が長持ちするだけではなく、お口の健康も維持しやすくなります。
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