8020運動って知っていますか?
80歳で20本の歯を残すことを目標に掲げた「8020運動」は、平成元年から推進されるようになりました。
運動開始当初は、目標達成率が7%程度にとどまっていたのですが、その数値が徐々に伸び、最近では50%を超えるようになりました。
これはとても素晴らしい傾向です。そこで今回は、8020運動の達成者が増えている理由をわかりやすく解説します。
1 予防歯科の考え方が広まった
8020運動が提唱されてから30年以上が経過しますが、その間、確実に予防歯科の概念が広まったといえます。
予防の先進国である北欧と比較すると、日本人の定期検診の受診率はまだまだ低いものとなっていますが、30年前よりは高くなっています。
実際、虫歯になる本数も減ってきているので、口腔ケアへの関心も確実に高まっているといえます。
2 歯周病になる人は増えている
日本人の虫歯の発生率は減少しているのですが、実は、歯周病に関しては増える傾向にあります。
“日本人の成人の約8割が歯周病にかかっている”といわれているように、たくさんの人が歯周病を発症しているのです。
これは、虫歯が減って、残存歯数が増えたことも影響しています。
歯周病というのは、基本的に歯がなければ発症しません。
歯周病菌の温床となる歯石は、歯の表面に形成されるからです。そのため、残存歯が多ければ多いほど、ある意味で歯周病のリスクが上昇するといえるのです。
3 歯周病予防にも力を入れる
日本では、80歳で20本以上の歯を残せている人が50%を超えましたが、スウェーデンでは平均歯数がそのくらいの値である点を知っておいてください。
予防を主体とした口腔ケアを実施している北欧では、虫歯はもちろんのこと、歯周病までしっかり予防できているのです。
ちなみに、日本人が歯を失う原因の第一位が歯周病、第二位が虫歯となっており、歯周病まで予防しなければ、より多くの歯を残すことは困難といえます。
4 プロケアとセルフケアの両立
虫歯や歯周病をしっかり予防するためには、定期検診の受診が欠かせません。
また、そこで学んだ口腔ケア方法をセルフケアで実践して初めて、衛生的な口腔環境を確立することができます。
あなたもプロケアとセルフケアを両立して、一生涯、自分の歯で噛み続けましょう。
▼まとめ
日本人の残存歯数は徐々に増えてきていますので、予防を主体とする考え方は正しいといえます。これからも1本でも多くの健康な歯を残せるよう、予防に努めていきましょう。
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- 虫歯,歯周病
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