嘔吐反射とは、口にものを入れた時に「オエッ」と吐き気を催す反射のことをいいます。
歯科治療では口の中に器具や機械が入るため、嘔吐反射が強い人にとっては、そう言った意味でも辛い場所と言えるでしょう。
嘔吐反射がなぜ起こってしまうのか、そして嘔吐反射をなるべく抑えるにはどうすれば良いかの対策について見て行きましょう。
嘔吐反射が出やすいシチュエーション
歯医者で嘔吐反射が出やすいシチュエーションとして、次のようなものが挙げられます。
- 歯の型取りをする時
- レントゲンフィルムを口の中に入れた時
- 口の中に溜まった唾液や水をバキュームで吸う時
- 奥歯を削る時
これらのように、口の奥にものが入る際に反射が起きてしまうことが大半です。
ですが、ひどい人になると、口の手前の方にミラーを入れただけでオエッとなってしまう場合もあります。
嘔吐反射の原因
嘔吐反射の原因としては、次のようなことが考えられます。
■生理的なもの
口の奥に異物が入ろうとした際に排除しようとする生理的な反応で起こります。反射の程度には個人差があり、歯磨きの際にもオエッとなりやすい人は反射が強いと言えます。
■精神的なもの
過去に歯科治療で怖い思いや嫌な思いをした、吐きそうになったことがある、極度に緊張している、などの精神的な理由で、嘔吐反射が過剰に起こってしまうことがあります。
歯磨きをしてもなんともないのに、歯科治療になるとすぐに嘔吐反射が起こってしまう場合、精神的なストレスが原因になっている可能性が高いと言えます。
■口呼吸によるもの
鼻が詰まっている、などの理由で口呼吸をしている場合、歯の治療で嘔吐反射が起こりやすくなる傾向があります。
嘔吐反射の対策
嘔吐反射が強い場合、歯医者でも色々と対処を行います。
例えば、診療台の椅子を水平にせず、なるべく起こした状態で治療を行う、型取りの際には材料が喉に流れないような姿勢を取ってもらう、レントゲンフィルムや型取りのトレーを小さいものにしてみる、スプレー状の表面麻酔を噴射して口の感覚を鈍くする、などです。
また、恐怖心の強い人の場合、なるべくストレスをかけないようにゆっくり治療を行ったり、笑気ガス麻酔を用いてリラックスした状態で行ったりする場合もあります。
嘔吐反射が辛くて歯の治療を受けずに歯がボロボロになってしまう人もいます。
ですが、歯医者でもそのような患者さんに対してできるだけ快適に治療が行えるようにあらゆる工夫をしています。お困りの方は是非一度ご相談ください。
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