あなたは顆粒入り歯磨き粉をご存知でしょうか?

これはツブツブが入った歯磨き粉のことで、おそらくテレビのコマーシャルで1度は目にしたことがあるでしょう。

コマーシャルを見ると「顆粒が汚れを掻き出す」ということで、歯の汚れがより取れるような感じに見えますが、実際のところ顆粒入り歯磨き粉を使った方が良いのでしょうか?

顆粒入り歯磨き粉は歯にいい?よくない?

顆粒入り歯磨き粉に関しては、歯科医師の間では疑問視されていることが多く、実際に顆粒入り歯磨き粉をオススメする歯科医師はほとんどいないと言っていいでしょう。

それどころか、顆粒が入っていなくても、「歯磨き粉自体が歯をきちんと磨く妨げになる」と考えている歯科医師も多いのです。

これは「そもそも歯磨き粉はスッキリした感じを得るために入っているだけであり、磨けていないのにスッキリして磨けた気になって早く歯磨きを終わらせてしまう」という考え方です。

しかし最近ではフッ素配合の歯磨き粉、歯周病予防に効果のある歯磨き粉という、薬効成分が入った歯磨き粉が多くあり、このような歯磨き粉に関しては、歯に対してプラスαの効果を与えてくれるため、少量の使用であれば勧める歯科医師が多いようです。

顆粒入り歯磨き粉は、薬効成分で汚れを取り除いているわけではなく、ただ顆粒が機械的に汚れを押し出す、というものです。

確かにもしかしたら少しはそのような効果もあるかもしれません。

しかし、実際に歯周病治療をしていると、歯茎の溝、歯周ポケットの中に入り込んだ顆粒がたくさん出てくることがあります。

これは毎日顆粒入り歯磨き粉を使った結果、それが歯茎に入り込んで取れなくなってしまったものなのです。

歯茎の中の顆粒はただの異物です。

つまり、この異物に細菌が絡みついて歯周病を悪化させる可能性が高くなることが懸念されます。

そのため、顆粒入り歯磨き粉は使用しない方が無難でしょう。

インプラントが入っている人は顆粒入り歯磨き粉はNG

インプラントを入れている人に対しては顆粒入り歯磨き粉の使用は避けた方がいいです。

それは歯茎の溝の中に顆粒が入り込んで、その部分から炎症を起こしてしまうためなのです。

これは顆粒入り歯磨き粉を作っているメーカー自体も、インプラントが入っている方は使用しないようにしてください、と言っています。

インプラントが入っている人によくない歯磨き粉というのは、天然歯にとって果たして良いものなのでしょうか?

そこをよく考えてみると、天然歯にも使わない方がいいと言えるのではないでしょうか?