冷たい水を飲んだ時や歯磨きの時にキーンとしみる知覚過敏。

虫歯でないと分かっていても辛いものです。

冷たいものだけでなく、温かいものでしみることもあるため、普段は注意していても、食事中に急に強い痛みに襲われることもあります。

知覚過敏は虫歯ではないため、歯医者でも「しみないように歯をなるべく刺激しないでください」とだけ言われることも多く、これと言って効果的な治療法もないまま辛い思いをしている人もいるかもしれません。

このような悩みを抱えている人に一度試してもらいたいのが「知覚過敏用の歯磨き粉」です。

知覚過敏はなぜ起きるのか

知覚過敏とは、歯の知覚が過敏になっている状態のことですが、歯が普通の状態であれば、硬いエナメル質に外側を守られているので、冷たいものや温かいものでしみることはありません。

しかし、歯茎が下がってエナメル質に覆われていない歯根の象牙質が露出してくると、その部分から敏感に温度刺激を感じるようになります。

この象牙質というのが刺激を受けると痛みを感じる層なのですが、この層がなぜ痛みを感じやすいかというのは、その構造が関係しています。

象牙質は「象牙細管」と呼ばれる無数の細い管の集合体から成っています。

象牙質が外部から刺激を受けると、刺激伝達物質が象牙細管を通ってその刺激を奥にある神経に伝えるため、痛みを感じるのです。

知覚過敏歯磨き粉が知覚過敏を抑えるメカニズム

知覚過敏歯磨き粉は知覚過敏を抑える成分を含んでいます。

一度の使用で効果を感じることはありませんが、1〜2週間くらい継続して使用することで、症状を和らげる効果が期待できます。

知覚過敏を抑える成分として、「硝酸カリウム」と「乳酸アルミニウム」があり、それぞれが違う働きをして知覚過敏を和らげます。

具体的にはそれぞれの薬効成分が次のようなメカニズムで知覚過敏をブロックします。

■硝酸カリウム

刺激伝達物質が神経の方へ刺激を伝えるのをブロックして、痛みを感じないようにします。

■乳酸アルミニウム

象牙質の象牙細管の入り口を塞ぐことによって、刺激から歯を守ります。

知覚過敏は原因の解決を忘れずに

実際に知覚過敏用歯磨き粉で症状が改善する人もいますが、中にはあまり効果が見られない人や、一度治って再発する人もいます。

この原因の一つとして、そもそも知覚過敏を起こすことに至った原因を解決していないことが考えられます。

知覚過敏を起こす原因としては、歯周病、歯ぎしり、乱暴な歯ブラシ、酸蝕症(酸で歯が溶かされる状態)などがありますが、これらを改善しなければ、知覚過敏もなかなかよくならないでしょう。

自分でも何が原因がよくわからない、という人は歯科医院で一度診てもらうと良いでしょう。