お口の中の状態は、1日の中でも大きく変化します。
例えば、人前で何かを発表する時などは緊張してお口の中がネバネバします。
リラックスしている時はそのようなことはないため、お口の中で何が起こっているのか不思議に感じている方もいらっしゃることでしょう。
実はその背景には、分泌される唾液の量や種類に変化が見られます。

1 唾液には2つの種類がある

私たちのお口の中で分泌される唾棄は、漿液性(しょうえきせい)と粘液性(ねんえきせい)の2種類に大きく分けることができます。
漿液性唾液とは、いわゆるサラサラした唾液で、粘液性唾液はネバネバした唾液です。
どちらも私たちの機能を維持するために必要な唾液なのですが、どちらかというとサラサラした唾液の方が好ましいですよね。

2 サラサラした唾液の作用

サラサラした唾液は、安静時に分泌されます。
また、食事をする際にもたくさん分泌され、食べ物を口腔から食道へと送り込むのに役立ちます。
食べかすがお口の中に残らないよう、しっかり洗い流してくれるのです。
そんなサラサラした唾液は、耳下腺と顎下腺と呼ばれる唾液腺から分泌されます。

3 ネバネバした唾液の作用

ネバネバした唾液は、一見するとあまり役に立たないように感じられますが、実際はそうではありません。
冒頭でも述べたように、緊張した時や強いストレスを感じた時などにたくさん分泌される唾液で、口腔粘膜を保護する作用などが期待できます。
粘膜の表面がネバネバした成分で覆われると、傷つきにくくなりますよね。
また、病原体が組織の中に入り込むのを防ぐ役割も果たします。そんなネバネバした唾液は、主に舌下腺から分泌されます。

4 口腔乾燥に要注意

朝、目覚めた時にお口の中がネバネバするのは、口腔乾燥によるところが大きいです。
唾液腺は、睡眠中にその活動が弱くなります。唾液の分泌量が減って、お口の中が乾燥します。
その結果、口腔内がネバネバするため、不快な思いをしてしまうのです。
これは粘液性唾液による仕業ではなく、口腔乾燥が原因なので注意しましょう。
要は、ネバネバした唾液が悪いのではなく、お口を乾燥させてしまうことが不快症状や虫歯・歯周病のリスクを引き上げるのです。
この点を理解した上で、口腔ケアに努めましょう。

▼まとめ

このように、サラサラした唾液とネバネバした唾棄にはそれぞれ役割があります。どちらも口腔衛生を維持する上で欠かせないものとなっています。それとは別に口腔乾燥という症状がある点を知っておいてください。