歯科治療では、いろいろな場面で金属を使う機会があります。
例えば、「銀歯」と呼ばれる保険診療の詰め物や被せ物には、銀をはじめとした複数の金属が含まれています。
それがアレルギーの基(アレルゲン)となって金属アレルギーを引き起こすことがあります。
今回はそんな歯科治療と金属アレルギーの関係について詳しくお話しします。
1 銀歯がアレルゲンとなりやすい理由
銀歯には、金や銀、パラジウムなどが含まれており、そのうちのひとつでもアレルゲンとなる体質であれば、金属アレルギーを発症する可能性があります。
また、銀歯というのは、常にお口の中に存在しているだけでなく、唾液によってその成分が溶け出すことがあるため、金属アレルギーの原因になりやすい傾向にあるといえます。
例えば、金属製のネックレスやピアスなどが金属アレルギーの原因となることがあります。
しかし、これらのアクセサリーはいつでも取り外すことができますし、粘膜というデリケートな組織に接しているわけではありませんよね。
この点は、一般的な装飾品と銀歯の違いといえます。
2 メタルフリー治療でアレルギーのリスクがゼロに
銀歯が原因で金属アレルギーを発症している場合は、メタルフリー治療に切り替えることで、根本的に解決することが可能です。
例えば、銀歯をセラミック製のかぶせ物に取り換えることで、金属アレルギーの症状を取り除くことが可能です。
もちろん、銀歯以外にも金属アレルギーの原因がある場合は、症状が改善されないこともありますので注意しましょう。
3 金属アレルギーってどうやって調べるの?
金属アレルギーがあるかどうかは、パッチテストなどを実施することで調べることができます。
歯科医院でも行うことができる簡易的なテストですが、単にアレルギーがあるかどうかを調べるだけでなく、どの金属がアレルゲンとなっているかも突き止めることが可能です。
シールのようなものを皮膚に貼り付けるだけなので、患者さんの身体的負担も極めて小さい検査となっています。
基本的に保険診療で受けることのできる検査であるため、経済的負担も小さいといえます。
まとめ
このように、歯科治療と金属アレルギーにはある程度の関係が認められますが、その他に原因があるかもしれません。
ですので、金属アレルギーの症状にお困りの方は、まずパッチテストなどのアレルギー検査を受けることをおすすめします。
その上で、今現在お口の中に入っている銀歯などと照合し、該当する金属が含まれている場合は、メタルフリー治療などへの切り替えも検討しましょう。
また、これからむし歯治療を行うなら、体に優しい材料を選択肢に入れることも必要となるでしょう。
虫歯治療を受けて噛めるようにする機能回復だけでなく、将来の体のことも考える時代になりました。
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