虫歯を予防するためには、毎日の歯磨きをしっかりと行い、オーラルケアを徹底することで大切です。

それに加えて、食事の際に「よく噛む」ことも良い結果へとつながっていきます。

一見すると、咀嚼と虫歯には何ら関係がないように思えますが、実際はそうではありません。ここではそんな咀嚼と虫歯予防の関係について詳しく解説します。

1 「安静時唾液」は加齢によって減少する

私たちのお口の中は、絶えず唾液によって湿っています。

唾液腺から「安静時唾液」と呼ばれるものが分泌されているからです。

お口の中が乾燥すると、虫歯菌を始めとした口腔内細菌が繁殖しやすくなるため、唾液が正常に分泌されていることはとても重要なことといえます。

そんな安静時唾液は、年を取るごとに減少する傾向にあります。

お年寄りの方が口腔内の乾燥に悩まされがちなのはそのためです。そこでおすすめしたいのが、よく噛むことでお口の周りの筋肉を適度に鍛える方法です。

2 よく噛むことで唾液の分泌が増加する

食事の際、しっかりと咀嚼することは、食べ物を細かくするという意味だけでなく、唾液の分泌を促進するという点においても有益です。

ちなみに、食事の際に分泌されるのは「刺激時唾液」と呼ばれるもので、これは基本的に加齢で減少することはほとんどありません。

ただ、よく噛むことで刺激時唾液の量がさらに増えることはありますので、しっかりと咀嚼することは刺激時唾液においても有益といえます。

同時に、食事の際にしっかりと噛むと、咀嚼筋を始めとしたお口の周りの筋肉が鍛えられるため、その近くにある唾液腺の活動も活発になります。

その結果、安静時唾液の分泌も増え、お口の中の衛生環境も向上するのです。

3 お口の中の自浄作用も高まる

食事の際によく噛むと、食べ物が細かく分解されます。

形成された食塊は、たくさん分泌された唾液によってまとめられ、効率良く喉の奥へと運ばれていくのです。一方、あまりよく噛まずに食事をしていると、お口の中に食べ物が残りやすく、口腔内の衛生環境が悪化してしまうため注意が必要です。

4 唾液が持つ作用について

安静時にしろ、食事の際にしろ、たくさんの唾液が分泌されることは虫歯予防に役立ちます。

お口の中の食べ物や雑菌などをきれいに洗い流すだけでなく、唾液には抗菌作用や殺菌作用があるからです。さらに、歯の再石灰化を促すための材料も唾液の中には含まれているのです。

そういったことから、よく噛むことで唾液の分泌量を増やすことは、お口の健康を維持する上で非常にメリットの大きな習慣といえるのです。

まとめ

このように、よく噛むことで虫歯の予防効果は確実に上がっていきますので、あなたも毎日の食事で実践してみてください。

もちろん、入れ歯が合っていなかったり、噛む時に痛みを感じたりするような場合は、無理して噛まずに、まずは当院までご相談ください。

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