カビというと、水回りや押し入れなどに生えるものというイメージが強いですよね。
湿度の高い梅雨の時期には十分に注意しなければなりません。
でもそうしたカビは、お口の中にも生えることがあるのをご存知でしょうか。
今回はそんなお口の中のカビが原因で発症する病気についてわかりやすく解説します。
1 お口の中にはカビの原因菌が住み着いている?
実は、私たちのお口中には「真菌(しんきん)」と呼ばれるカビの原因菌が住み着いています。
虫歯菌と同じように「口腔常在菌(こうくうじょうざいきん)」の一種でもありますので、誰にでも存在しているものといえます。
ですから、お口の中にカビが生じるというのは、それほど珍しいことではないのです。
2 口腔カンジダ症に要注意
お口の中にはいくつかの真菌が存在していますが、その中でも「カンジダ菌」には注意が必要です。
口腔カンジダ症と呼ばれる病気の原因菌で、お口の粘膜を腫らしたり、痛みを生じさせたりすることがあります。
何より、カビの原因菌が繁殖している時点で、お口の中が不衛生となっていることを意味しますので、早急に対応する必要があります。
3 舌の汚れをしっかり落とす
カンジダ菌は、歯や歯茎よりも舌の上で繁殖しやすい傾向にあります。
最近話題になっている「舌苔(ぜったい)」の中には、数えきれないほどのカンジダ菌が繁殖しているものです。
そのため、普段から舌ブラシを使って正しく舌のお掃除をしましょう。
決して、歯ブラシでゴシゴシと舌を洗うことだけは避けてください。
歯を磨くような感覚でブラッシングすると、舌の粘膜を傷つけてしまいます。
そうして生じた傷口の中で、さらに真菌や細菌が繁殖して、症状を悪化させることになるのです。
4 義歯性口内炎もカンジダ菌が原因
入れ歯を装着していると、義歯床の下に口内炎ができることがありますよね。
あれは、入れ歯の適合が悪いのではなく、入れ歯やその下の粘膜が不潔になっていることで生じているのです。
そこにも実はカンジダ菌の感染が認められます。
ですから、義歯性口内炎に悩まされている方も、まずは入れ歯とお口を清潔に保つことから始めましょう。
まとめ
このように、お口の中のデキモノはカンジダ菌が原因となっていることが少なくありません。
これは一種のカビですので、お口の中がどのくらい不潔になっているのかの指標にもなります。
それだけに、毎日のオーラルケアを徹底して、カンジダ菌の繁殖や口内炎の発症を予防したいものです。
当院では正しいオーラルケアの方法や歯の清掃グッズなど丁寧にお知らせしています。
上手に歯医者を活用して、いつまでも健康に過ごしましょう。
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