皆さんは「誤嚥(ごえん)」という現象をご存知でしょうか?
唾液や食べ物などを食道ではなく、誤って気道へと飲み込んでしまう現象で、健康な人でも起こり得ます。
ただ、誤嚥が頻繁に起こると深刻なトラブルに発展することもあり要注意です。
今回はそんな誤嚥の種類や症状、対処法などをわかりやすく解説します。

1 誤嚥が起こる原因

おそらく皆さんも食事中「むせる」ことはあるかと思います。
むせると苦しくなって、咳がでますよね。これは誤嚥によって気道へと入り込んだ食べ物を押し戻そうとする反射なのです。
つまり、誤嚥というのは、小さなお子さまでも起こるものであり、それ自体、深刻にとらえる必要はありません。
けれども、頻繁に起こる誤嚥は、飲み込む力が衰えている可能性があります。
お口の中で形成された食塊を適切に嚥下できなくなっているから、誤嚥するのです。

2 誤嚥の種類

誤嚥は、「顕性誤嚥(けんせいごえん)」と「不顕性誤嚥(ふけんせいごえん)」の2種類に大きく分けることができます。
顕性誤嚥は、自覚できる誤嚥で、息苦しさや咳反射を伴います。
一方、不顕性誤嚥は、自覚できない誤嚥で、特別な症状も現れないことから、そのまま放置してしまうケースがほとんどといえます。
この不顕性誤嚥には十分に注意しなければなりません。

3 不顕性誤嚥によるリスク

不顕性誤嚥では、誤って飲み込んだ唾液や食べ物が気道に残存することになります。
これらにはお口の中の細菌も付着しており、気道内で細菌感染を引き起こすことがあるのです。
その結果、生じるのが「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」です。

もちろん、自覚症状のある顕性誤嚥でも誤嚥性肺炎のリスクはありますが、不顕性誤嚥の方が圧倒的に危険であるという点を知っておいてください。

4 誤嚥を調べる方法

誤嚥は、さまざまな検査で調べることができますが、まずは周囲のご家族が気付いてあげるのが大切です。
食事中むせることが多かったりする場合は、飲み込む機能に何らかの異常が認められます。
不顕性誤嚥に関してはご家族でも発見しにくいかと思いますので、専門の医療機関で検査を受けましょう。
咳テストなどを受ければ、不顕性誤嚥も発見できます。
誤嚥や咳反射の低下は、トレーニングによって改善することが可能です。

▼まとめ

このように、不顕性誤嚥というのは、肺炎を起こすリスクが高く、放置するのは危険です。
飲み込む力に衰えを感じているようであれば、一度検査を受けることをおすすめします。