金属アレルギーとしてよく知られているのは、アクセサリーと接する皮膚がかぶれてしまうというようなものではないでしょうか。

金属と触れている部分が赤くかぶれてかゆみを伴ったりするため、自分でもアレルギーが起こっていることに気づきやすいものですが、金属アレルギーはこのようにわかりやすいものばかりではありません。

そのわかりにくい代表的なものが歯科金属アレルギーです。

 

わかりにくいことが多い歯科金属アレルギーの症状

 

金属アレルギーの人は年々増え続けていると言われており、決して珍しいものではなくなってきています。

特に、歯科では治療で銀歯や入れ歯などに、強度の面から金属の材料が使われることが多く、自分では金属アレルギーであることに気づいていない人も案外多いものです。

 

なぜ歯科金属アレルギーに気がつきにくいのか、というと、口の中だけでなく、口の中とは全く関係ない全身に症状が起こることが多いためです。

それでは具体的にどのような症状が出るのかを挙げていきましょう。

 

■歯科金属アレルギーの症状

 

<口の中で起こるアレルギー反応>

 

1.口の中、周囲の炎症やただれ

金属は唾液中に金属イオンとなって溶け出し、たんぱく質と結びついてアレルギー源となって口の中の粘膜に口内炎を頻繁に作ったり、唇の周りや端に炎症を起こす原因となります。

また、口の中の粘膜に線状や網目状の白い模様のようなものができてその周囲が赤くただれる「扁平苔癬(へんぺいたいせん)」となることもあります。

 

2.味覚障害

アレルギー反応によって舌の表面の味の受容体がダメージを受けると、味がわかりにくくなることもあります。

 

<全身に起こるアレルギー反応>

 

1.掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)

唾液中に溶け出した金属イオンが体内に侵入し、汗として皮膚から分泌されるときにアレルギーを発症します。

この時、汗をかきやすい手の平や足の裏に症状を起こしやすく、水疱や膿の袋が現れる「掌蹠膿疱症」を発症することが多く見られます。

 

2.湿疹

上と同じメカニズムで、全身の皮膚にも湿疹やアトピー性皮膚炎のような症状が現れる場合があります。

 

金属アレルギーはどうやって調べる?

 

上でご紹介したように、皮膚に症状が起こる場合が多いのが歯科金属アレルギーです。

長い間原因不明の湿疹などがあって、口の中に金属が入っている場合、それはもしかしたら歯科金属アレルギーの可能性があります。

歯科金属アレルギーがあるかどうかは皮膚科でチェックすることができますので、心当たりのある人は一度調べてもらうと良いでしょう。