歯が痛いと歯が原因だと普通は思いますよね?

でも、歯が痛いと思っていても実は歯が原因でない場合があります。

これは関連痛というもので、歯とは全く関係ない場所が悪いのに歯が痛いと感じることは決して珍しいものではありません。

今回は歯が原因でない歯の痛みについてご紹介していきます。

 

歯が原因でない歯の痛みにはどんなものがある?

 

歯が原因ではないのに歯の痛みを起こすものには次のようなものがあります。

 

1.顎関節症の痛み

顎関節症というと、顎の関節から音が鳴るものを想像するかもしれません。

しかし、顎関節症の症状として、噛むときに使う筋肉(咀嚼筋)の痛みというものがあります。

この咀嚼筋の痛みが奥歯の痛みのように感じることがよくあります。

 

2.副鼻腔炎からくる痛み

風邪をひいたり、アレルギー性鼻炎などがある場合、副鼻腔炎を起こすことがあります。

副鼻腔には4つありますが、その中の上顎洞と呼ばれる副鼻腔は奥歯のすぐ上に位置しており、この部分が炎症を起こすと、まるで歯が痛いかのように感じることがあります。

 

3.神経痛が原因になっている痛み

神経のどこかに異常が起こることで痛みを感じます。

顔面領域では三叉神経痛や、帯状疱疹ウイルス感染が原因で起こるものがあり、歯に非常に強い痛みを感じることがよくあります。

 

4.強い頭痛からくる痛み

群発頭痛に代表されるような激しい頭痛においても、発作時に激しい歯の痛みを伴うことがあり、患者さんの強い希望で歯の治療を行い、しばしば歯の神経を取られたり、抜かれてしまっているケースがあります。

 

5.狭心症や心筋梗塞が原因の痛み

狭心症や心筋梗塞のような心臓の病気が下の歯の痛みを引き起こすことが知られています。

 

6.心因性からくる痛み

脳の痛みを感じる領域と、感情をコントロールする領域が近接しているため、精神疾患のような心因性のものが歯の痛みを起こすことがあると考えられています。

 

7.ニューロパチーによる痛み

歯の炎症や治療後に末梢の神経が傷つくと、その後炎症は落ち着いても、神経の痛みが焼けるような強い痛みで持続することがあります。

 

8.原因不明の痛み

上にあげたいずれのケースにも当てはまらない、原因不明の痛みもあります。

歯科治療をきっかけに起こることも多く、脳のレベルで痛みを処理する過程で何らかのエラーが起こっているのではないかと考えられています。

 

 

歯が痛む場合にはまず、しっかりと診断をしてもらうことが大切です。

歯に異常が見られない場合、納得が行きにくいかもしれませんが、無意味な歯の治療を避けるためにも、一つ一つ可能性を探りながら原因を追究していく必要があります。