タバコを吸うと体に良くないことは皆さんご存知のことでしょう。

タバコの害としてとりわけ知られているのは肺がんですが、実はタバコを吸うことで歯周病が非常に悪化しやすくなるのです。

歯周病は全身の病気を引き起こすこともわかってきており、その観点からも、健康で長生きするためには禁煙するのが大変重要であると言えます。

今回はタバコを吸うとなぜ歯周病がひどくなりやすいのか見ていきたいと思います。

 

タバコの害を一番に受けやすいのは口の中

 

タバコは4000種類もの化学物質が含まれ、そのうちの200種類以上が有害物質、そしてその中の70種類くらいは発がん物質であると言われています。

タバコの煙が最初に入ってくる口の中は、その有害物質が最初に溜まる場所となります。

歯ぐきを含む口の中の粘膜は、このような有害物質も透過して吸収してしまうので、タバコの煙の影響を非常に受けやすいのです。

 

 

タバコが歯周病をひどくする理由

 

タバコが歯周病をひどくするのは次のような理由です。

 

1.歯ぐきの血行を悪くする

ニコチンが血管を収縮させて血流が少なくなります。

そのため、歯ぐきに炎症が起こっても出血が起こりにくくなり、本来の歯周病の初期症状である「出血」というサインが現れず、発見が遅れたり、気づかないうちに症状がみるみる悪化したりしてしまいます。

 

2.免疫力を低下させてしまう

ニコチンは体の免疫力を低下させます。

歯周病は歯周病菌による感染症であるため、免疫力が弱っていると感染しやすくなり、また、進行しやすくなります。

 

3.傷の治りが悪くなる

ニコチンは傷が治る時に働く細胞の活動を阻害します。

そのため、歯周病の治療をしても歯ぐきがなかなか治りづらく、治療の効果があまり現れません。

 

4.唾液の分泌を減少させる

タバコは唾液の分泌を抑え、口の中を乾燥させてしまいます。

そのため唾液が「口の中の細菌を洗い流す」という重要な役割を果たすことができず、細菌が繁殖して歯ぐきに悪影響を与えます。

 

5.ヤニが汚れを吸い付ける

ヤニが歯の表面にこびりつき、歯がざらついて汚れや歯垢がたまりやすくなります。

さらにはそれが歯石へと変化して細菌繁殖の温床となり、歯周病を悪化させます。

また、残留しているヤニがニコチンを常に放出して歯ぐきの組織に悪影響を与えます。

 

 

 

タバコを1日に10本以上吸う人はそうでない人に比べて5.4倍も歯周病にかかりやすくなることがわかっています。

またヘビースモーカーほど歯周病が重度になる傾向がありますので、喫煙している人はできる限り禁煙することをおすすめします。