精神的なストレスが歯の痛みを引き起こすことがあるのをご存知でしょうか。

このような場合、ストレスをなくしていくことで歯の痛みを改善することが可能です。

ストレスが原因で起こる歯の痛みにはどのようなものがあるのでしょうか。

ストレスで起こりうる歯の痛み3つとそのメカニズム

精神的なストレスが原因で体の健康状態に不調や悪影響を及ぼすことがあることはよく知られています。

歯の場合も例外ではなく、長期間ストレスが続くことによって次のような不調を起こす場合があります。

 

1.ストレスによる唾液分泌低下が原因で起こる虫歯

人間はストレスが加わると、自律神経の働きにより唾液の分泌が落ちます。

唾液は口の中の細菌を洗い流したり、歯を虫歯から守る「再石灰化」という役割のために欠かせないものです。

その唾液があまり分泌されなくなることにより、虫歯菌が過剰に増殖して虫歯が発生、進行し、痛みを出す場合があります。

 

2.ストレスによる唾液分泌低下が原因で起こる歯周病

歯周病も細菌が増えると悪化します。

唾液が減ることで歯周病菌が増え、歯周病を引き起こして歯茎が炎症を起こしたり、膿んだりすることで痛みを引き起こしてしまうことがあります。

 

3.ストレスによって起こる顎関節症(がくかんせつしょう)

ストレス状態が続くと、無意識に噛みしめてしまったり、夜間に歯ぎしりが出ることがあります。

すると顎関節症という顎の関節や筋肉に不調をきたし、顎の周囲や歯にまで痛みを感じることがあります。

 

対処法

虫歯や歯周病がある場合にはそれに対する治療が必要になります。

しかし、治療してもストレスによる唾液分泌低下が続けば、また再発したり、新たな場所が病気を発症する可能性があります。

顎関節症の場合は痛みによっては鎮痛剤を使うことで痛みを軽減したり、マウスピースで歯や顎関節に力がかかりすぎないようにコントロールする方法があります。

しかし、顎関節症はストレスとの関連が強いと言われている病気であり、ストレスを改善しないことには根本的な解決は難しいでしょう。

 

歯科治療だけでは治らない場合は他の診療科と連携も

ストレスが歯の痛みの原因になっている場合には、歯科的な対応だけでは問題が根本的に解決できません。

まずは、なるべくリラックスできる時間を持つなどしてストレスを溜めすぎないことが大切ですが、それでも難しい場合には心療内科や神経科など他の診療科と連携して治療を行った方が良い場合もあります。

また、お口の状態も定期的に検診、クリーニングをして良い状態を保ち続けることも大事です。