歯周病は、自覚症状に乏しい病気といわれていますが、実際はさまざまな症状が認められます。

今や歯周病は国民病の一つとして認められています。歯を失う最大の要因である歯周病は油断大敵です。

今回はそんな歯周病特有の症状について詳しくご紹介します。

1 歯茎の異常

歯周病といえば、歯茎に現れる異常がよく知られていますよね。

歯茎が腫れたり、発赤したりするのは、軽度の歯周病である「歯肉炎」の特徴です。また、歯茎の炎症が少し強くなると、歯磨き後に出血が認められることもあります。

この段階で治療を受けることができれば、比較的病状をコントロールしやすいといえます。

2 口臭が強くなる

以前よりも口臭が強くなったと感じたら、それは歯周病が原因になっているかもしれません。

歯周病菌はお口の中のタンパク質などを分解して、「メチルメルカプタン」という特殊なガスを産生するからです。

このガスはタマネギが腐ったような強烈な臭気を放ちます。その結果、口臭が強くなるのです。

歯周病の症状を改善することで、口臭も抑えることが可能です。

3 食べ物が噛みにくくなる

食事の際に、食べ物が噛みにくくなるというのは、一見すると歯周病とは無関係であるように思えます。

「噛む」という行為は、顎や顎の関節のように、もっと大きな組織が担っているイメージが強いからでしょうか。

けれども、歯周病によって歯の支えが弱くなったり、噛み合わせに悪影響が生じたりすることでも、食べ物を噛みにくくなることは起こり得ます。

歯周病がお口の中に与える影響というのは、それくらい大きなものなのです。

4 歯茎から膿が出る

歯茎から膿が出ている場合は、歯茎で強い細菌感染が起こっていることを意味します。

歯の根っこの部分に排膿(膿が出ている状態)が認められる場合は、重度のむし歯を併発していることも少なくないため、早急に治療を受ける必要があります。

5 歯がグラグラと動揺する

歯周病は、歯茎に炎症をもたらし、痛みや発赤などを生じさせる病気です。

それが進行すると、歯を支えている顎の骨まで炎症が広がります。

その結果、顎の骨が溶け、歯を支えきれなくなり、歯がグラグラと動揺するようになるのです。

これは歯周病の末期症状といえます。

ここまでくると、多くのケースで抜歯が適応されます。

つまり、たかが「歯茎の病気」と軽く考えていると、最終的には歯を丸ごと失ってしまうのです。そうならないためには、できるだけ早い段階で歯周病治療を受けることが大切です。

▼まとめ

このように、歯周病では歯を支える歯周組織にさまざまな異常が現れます。

これらを敏感に察知することで、歯周病の重症化を防ぐことができますので、あなたもぜひ参考にしてください。

また、今回取り上げたような症状が認められる場は、まずはお気軽に当院までご相談ください。

様子を見ることはなにも良い結果を生むことはありません。