何らかの理由で歯が抜けた場合、一刻も早く歯科治療によって補うことが望ましいです。それは時間の経過とともに、歯の欠損による弊害や障害が大きくなるからです。そこで今回は、失った歯を放置すると、どのような過程を経て、障害が大きくなっていくのかをわかりやすく解説します。

1 歯の喪失直後から現れる「一次性障害」

歯科治療による抜歯や外傷などによって歯を失った際、その直後から現れる症状を「一次性障害」といいます。具体的には、次に挙げるような症状が認められます。

◎そしゃく障害

食べ物をそしゃくする能率が低下する障害です。歯列というのは、すべての歯がそろい、適切な位置に存在することで初めて正常な機能を果たせるものなので、歯を1本でも失うと、誰もが噛みにくさを感じるものです。とくにそしゃく機能の大半を担う奥歯を失ったり、複数の歯を喪失したりすると、そしゃく障害も大きくなります。

◎審美障害

歯を失った方が最も気にされるのが見た目の問題です。歯列内に1本でも欠損部が存在すると、とても目立ちますよね。そうした審美障害がコンプレックスとなるケースは少なくありません。

◎発音障害

発音障害も歯の喪失直後から現れる症状です。とりわけ前歯を失ったケースでは、息漏れがしやすく、発音が乱れやすいといます。

2 歯の喪失から数ヶ月で現れる「二次性障害」

二次性障害は、歯を失ってから数ヶ月、あるいは1年以上経過する中で徐々に認められるような症状です。歯列内の欠損部を周囲の歯が埋めるように移動を始めることから、歯並び・かみ合わせの異常が生じます。その結果、そしゃく障害や審美障害、発音障害なども悪化するのは言うまでもありません。

3 顎の筋肉や関節に異常が現れる「三次性障害」

二次性障害が慢性化すると、いよいよお口周りの筋肉や顎の関節にまで異常が現れます。具体的に歯、そしゃく筋障害や顎関節障害です。ここまで重症化させてしまうと、お口だけではなく全身にまでさまざまな悪影響が及ぶため、できるだけ早期に治療を受けましょう。

▼まとめ

このように、抜けた歯を放置すると、段階を追って障害が深刻化しますので、失った歯を補う補綴治療(ほてつちりょう)を早期に受けることが望ましいです。