歯科では、睡眠時無呼吸症候群という病気を取り扱うこともあります。基本的には全身の病気なので、内科で検査や診断を受ける必要があるのですが、治療用のマウスピースを作る際などは、歯科も関係してきます。そこで今回は、睡眠時無呼吸症候群についてわかりやすく解説します。

1 睡眠時無呼吸症候群の患者さんが増えている?

睡眠時無呼吸症候群は、メディアでも取り上げられることが増えてきたため、ご存知の方も多いでしょう。
文字通り眠っている時に呼吸が止まる、あるいは低呼吸となる病気で、中年の男性に多くなっています。もしかしたらもうすでに内科的な治療を受けている方もいらっしゃるかもしれませんね。

2 睡眠時無呼吸症候群の原因とは?

睡眠時無呼吸症候群の主な原因は、舌が下方に下がったり、脂肪によって気道が閉塞したりすることです。息が通る道が塞がれるため、無呼吸・低呼吸が誘発されます。

3 いびきをかいている場合は要注意

習慣的にいびきをかいている方は、睡眠時無呼吸症候群が疑われます。
無呼吸・低呼吸が続くことで睡眠の質が低下し、日中強い眠気におそわれることも多くなります。
さらに症状が進むと、高血圧や不整脈、動脈硬化などを誘発することもあるため十分な注意が必要です。

4 歯科との関連は?

一見すると、睡眠時無呼吸症候群と歯科は何ら関係がないように見えますが、実際はそうではありません。
なぜなら、歯科は歯だけでなく、口腔や咽頭、喉頭までを含めた広い範囲を専門領域とする診療科だからです。
また、睡眠時無呼吸症候群の治療として有用な「スリーブスプリント」は、歯科的な知識や技術がなければ、適切なものを製作することが困難です。

5 スリーブスプリントによる治療

スリーブスプリントとは、マウスピース型の治療装置で、下顎をやや前方に固定するのが主な目的です。そうすることで、舌が沈み込む現象を抑えられ、気道閉塞も防止できます。

▼まとめ

睡眠時無呼吸症候群はマウスピースで治療することも可能な病気です。
歯科との関連も深いのですが、内科での治療が基本となります。最近、いびきをかくようになった、日中に強い眠気におそわれる、といった症状に悩まされている場合は睡眠時無呼吸症候群が疑われます。まずは内科にて診察を受けましょう。