歯茎が腫れる原因は、口の中の細菌によって引き起こされる歯肉炎、歯周炎であることがほとんどですが、細菌に関係なく、ある種の薬の副作用によって歯茎が腫れてしまう場合があります。
このような歯茎の腫れが起こってしまうと、非常に歯磨きがやりにくくなり、歯茎の健康を損ねてしまうことがあります。
薬の副作用で歯茎が大きく腫れる!薬物性歯肉肥大とは?
薬の副作用で歯茎が腫れてしまうものを薬物性歯肉肥大と言います。
歯茎が腫れると言っても、その腫れ方は歯茎が炎症を起こして赤く腫れた場合とは違い、ピンク色で硬い塊がボコボコできるような感じ、まさに「増殖・肥大」するような感じで腫れます。
これは薬の副作用により、歯肉のコラーゲンが大量に作られることによって起こります。薬物性歯肉肥大を起こす薬には次のようなものがあります。
■薬物性歯肉肥大を起こす薬
1.ニフェジピン
商品名としては「アダラート」が有名で、高血圧や狭心症、早産の治療薬(子宮収縮抑制薬)として使用されます。
この薬を服用することで、約2割弱くらいの人に歯肉の肥大が起こるとされています。
2.フェニトイン
てんかん発作を抑える抗てんかん薬のフェニトインは、日本では「ヒダントール」「アレビアチン」という商品名で知られています。
これらの薬を長期にわたって服用しているとおよそ半数の人に歯肉肥大が起こることがわかっています。
3.シクロスポリン
シクロスポリンは免疫抑制剤で、自己免疫疾患の治療薬として、また、臓器移植の後の拒絶反応の予防薬として使われています。
商品名としては「ネオーラル」「サンディミュン」などが知られています。服用した約3割弱の人に歯肉肥大が現れると報告されています。
薬物性歯肉肥大になってしまった場合の対処法
上記の薬を飲んでいる場合、軽度のうちにしっかりと歯ブラシを行い、歯科医院できちんとクリーニングすることで、悪化を防ぐことが可能だとは言われています。
しかし、もしも歯肉肥大が起こってしまい、なかなか治らないような場合には、医科の担当医と相談して、可能であれば薬剤の変更が望まれます。
変更が難しい場合には、肥大した歯肉を切除するなどの対処をしますが、同じ薬剤を服用し続ければ副作用は出続ける可能性が高くなります。
一番大事なことは、自分でしっかりとブラッシングを行うことですが、歯肉が大きく腫れていると自分ではなかなか隅々まで磨くことが難しいため、補助的に歯科医院でこまめなクリーニングを行いながら、なるべく清潔な状態を保つことが重要です。
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