歯周病は虫歯とともに歯科の2大疾患の一つですが、虫歯よりも怖い病気と言っていいでしょう。

虫歯にあまりかかったことがなく、ある程度の年齢まで「歯が強いから」と安心していた人が、突然歯周病にかかって歯がどんどんなくなってしまう、ということは決して珍しいことではありません。

実は歯周病はこれ以外にも怖いと言われる理由がいろいろあるのです。

 

歯周病が怖い理由

 

歯周病は、痛みの点に関しては虫歯ほど激しい症状を出すことはあまりありません。

それでも歯周病が怖いと言われるのは次のような理由によります。

 

1.歯を次々に失ってしまう

歯周病は歯を支えている骨をだんだんと破壊していきます。

歯周病の多くは全体の骨を一様に水平的に破壊していくため、それまで虫歯もなく、全く問題ないと思われていた歯が同時に何本もグラグラし始めたりします。

虫歯で一気に歯を何本も失うことはあまりありませんが、歯周病の場合には次々にやられてしまう、ということがよくあります。

 

2.周囲に強い口臭を放つ

歯周病菌は「どぶの臭い」「魚の腐った臭い」とも言われるような臭いを発します。

そのため、歯周病のケアをしっかりしていないと、歯周病が重度になってくるにつれ、強い口臭を周りに放ってしまう可能性があります。

本人は臭いに慣れてしまっているために気づかないことが多いのも恐ろしいところです。

 

3.見た目に問題が出てくる

歯周病は進行するにつれて骨がなくなっていきます。

それに伴って、その上にある歯茎も同時に下がっていき、歯が長く見えるようになってきたり、歯と歯の間に隙間が空いて見た目が老けて見える原因となります。

また、骨の支えが弱くなるため、特に上の前歯が下の前歯に突き上げられることで、だんだんと出っ歯になってくることがあります。

このように、歯周病が進行すると、審美的な面でもいろいろと問題が出てきます。

 

4.全身の病気を引き起こす

歯周病が怖いと言われる最大の要因と言ってもいいのが、全身の病気を引き起こす原因になっているという点です。

歯周病原菌は血管の中に入り込んで全身を回り、血栓を作って心臓や脳の血管を詰まらせたり、糖尿病や胃腸障害、早産や低体重児出産、リウマチなどを引き起こしたり、唾液に混じった歯周病菌が気管の方へ入ってしまうことで誤嚥性肺炎を起こして高齢者の死亡原因になってしまうことがあります。

歯周病をしっかりと予防することで、このような病気からも体を守ることができるのです。